村上さんがティーンエイジャーだった頃の話を、『村上朝日堂』か何かのエッセーで読んだのですが、ずいぶん大人びていて変わった子供ですよね。中央公論社の『世界の歴史』を読んだり、英文の小説を読んだり。ご自分で、周りの連中となんだか自分は違うなぁと意識したと思うのですが、それはいつ頃でしたか。それとも、村上さんの育った世代や地域は、そんなに知的好奇心の旺盛な子供達が群をなしていたのでしょうか。
(アムリー、男性、32歳、公務員)
僕は無茶苦茶たくさん本を読んでいた子供だったけど、とくにまわりから浮いてはいなかったですね。たぶんみんなけっこう本を読んでいたからじゃないかな。当時はパソコンもなかったし、携帯もなかったし、ゲームもなかったし、娯楽は限られていたんです。だから本を読む人はわりに多かったと思います。今ならちょっと浮いちゃうかもね。あいつラインもやらないし、ゲームもやらないし、本ばかり読んでいて変なやつ……みたいな。
村上春樹拝