こんばんは。
村上春樹さんは、「もちろん異論もあるだろうが」と断った上でこうお書きになったことがありました。
「僕はビートルズというバンドはある場合に宇宙的広がりを見せた優れたコミック・バンドと考えている」
異論どころか私はこの御意見を読んだ時、打たれました。
とくに『ホワイト・アルバム』こそは、ユーモア博覧会、見本市みたいな作品ですよね。パロディ、地口(じぐち)、ブラック・ジョークなど、諧謔(かいぎゃく)にまつわるありとあらゆるものがつまっています。本人たちにその気はぜんぜんなかったのでしょうが結果としてそうなりました。ビーチ・ボーイズだけじゃなくて、ビートルズのことも今度また書いて下さい。
(港のノートルダム、男性、43歳)
ビートルズがコミックバンド? そんなこと書いた覚えはまったくありません。いったいどこにそんな文章を書いたのだろう? うーん、まったく思い出せないんだけど。でもたしかにビートルズの音楽には、イギリスの地方都市のバーレスクみたいな雰囲気はありますよね。とくに『ホワイト・アルバム』にはそういう傾向が強いかもしれません。
村上春樹拝