毎年、夏には『ねじまき鳥』、冬には『世界の終り』を何度も読み続けている変態野郎です(笑)。
物語においてリアルであることは重要でしょうか?
私は村上さんの物語がリアルに感じます。だから何度も何度も繰り返し読むのです。
しかし、妻に言わせればこれのどこがリアルなの? と言われてしまいます。
私がリアルだと言いたいのは登場人物の中身が、人間の奥の奥底がリアルだと伝えたいのですが、全く話が通じません。
まーわかって欲しいとも思っていませんが……ただ、どうしてこんなにもリアルに表現出来るのか! これがリアルだと大きな声で言いたかったのでメールしました。
次回の長編楽しみに待っています。
(たけし、男性、39歳、公務員)
奥さんの批判にめげずに、僕の小説を読み続けていただいて感謝しております。何がリアルで何がリアルじゃないかは、人によってずいぶん違いますよね。よく「もう少しリアルな小説を書いたらどうですか?」と言われます。僕としてはずいぶんリアルに書いていると思っているのですが。
たとえば井戸の底に座っていて、石の壁をすっと抜けてしまうなんて、僕にとってはすごくリアルでナチュラルなことなんだけど、そこで挫折して読みやめてしまう方もおられます。「そんなの、あれこれ言わずに、すっと抜けりゃいいじゃん」と僕なんかは思うんですけどね。僕が変なのでしょうか?
村上春樹拝