信心深い人間では決してないのですが、どうしても願掛けしたくて、とある神社に行こうとしています。その神社では、願いと引き換えに何か(自分の止められないもの)を差し出さないといけないみたいなんですが、信仰心は別として小説を書く以外に「これは差し出せる」という「止めたらきついこと」を村上さんはお持ちですか? というか、もしそういう状況に陥ったら村上さんは何を差し出しますか?
ちなみに僕は「鶏肉・ラーメン・お酒」の狭間で悩んでいます。友人は煙草です。
(メリーさんは未年、男性、49歳、教員)
はあ、なかなか面白い神社ですね。願をかけるなら、きいてやってもいいけど、かわりにそっちも何かを差し出せよ、と。そう言われれば話の筋は通っているかもしれません。ギブ・アンド・テイクなんだ。たしかに神様だって頼まれるだけじゃ面白くないですものね。
そうですね、僕なら牡蠣フライか鍋焼きうどんをしばらくあきらめますが、それくらいでは足りないのかな? だとしたら「ビーチ・ボーイズを聴く」というのをあきらめるかも。それでも足りない? それなら願掛けはやめます。
村上春樹拝