春樹さん、こんにちは。私が村上主義者(この呼び名いいですね)になったのは40近くになってからです。
チャンドラーにプルースト、ジョン・アーヴィングが好きで、じゃあ、春樹さんの本もきちんと読んでみよう、となったのです。ものすごくかっこよかったり力があるわけではないけれど、ことが起きたら勇気を持って行動する登場人物が好きです。春樹さんのお話は恐ろしく悲惨なものでも、読んだ後は心があたたかくなって勇気が出ます。よし、私もがんばろうって。
翻訳もすてきです! 清水さんのももちろんよかったですが、春樹さんのフィリップ・マーロウにしびれてます。中学生の時に読んでわけが分からなかった『キャッチャー・イン・ザ・ライ』も面白かったです! 『グレート・ギャツビー』も『ティファニーで朝食を』も!
少し年を重ねてから素晴らしい本に出会えて幸せです。
春樹さんは最近、うん、これはいい! という本はありますか。ロシアの学生さんがすすめてくれた、ウクライナ生まれの作家ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』という本が面白かったですよ。
それでは、地下にはたぶん潜りませんが、村上主義者を名乗って生きていきます。次の作品を楽しみにしております。
(ハマのカツオ、女性、41歳、日本語教師)
ありがとうございます。『巨匠とマルガリータ』、うちにも本があるんですが、まだ読んでいません。今度読んでみますね。今度出る僕が翻訳した、ダーグ・ソールスターというノルウェイの作家が書いた『NOVEL11、BOOK18』(中央公論新社刊)という小説はとても面白いです。もしよかったら読んでみてください。変な話ですが、説得力があります。気に入っていだけるのではないかと思います。
村上春樹拝