村上春樹さん、こんにちは。
神奈川県在住の高校生です。先日、『ねじまき鳥クロニクル』を読ませていただきました。
どの登場人物も魅力的な人ばかりですが、わたしは笠原メイが好きです。
しっかりとした自分の考えを持っていて、勇気があって。
わたしと同い年なのにどうしてこんなに違うのだろうと羨ましく思います。さっそくですが、質問しますね。
わたしには今、好きな男の子がいます。
1つ年上の委員会の先輩です。
その人のことを見ると、ドキドキして、手が震えて、ペンも持てなくなってしまうのです。
そんな訳で、先輩とは全然お喋りできません。
それに、共通点も少なくてどんな話をすればいいのかがまったく分かりません。どうすれば先輩と話せるようになるんでしょうか。
どんな話をすれば良いのでしょうか。どうすれば笠原メイみたいな積極的な女の子になれますか。
よろしくお願いします。
(りんご、女性、16歳、高校生)
そうですか。そんなにどきどきしちゃうんだ。ペンも持てない、声も出てこない。困りましたね。でもきっと向こうはそんなことぜんぜん知らないんだよね。十年くらいたって、どこかでその人に会って、あなたが「十年前、先輩のことがすごく好きで、あこがれていて、前にしているとペンもちゃんと持てなかったんですよ」と言っても、向こうは「嘘だろ。ぜんぜんそんな風に見えなかったぜ」みたいなことになると思います。男ってだいたいにおいて鈍くて、わかりが悪いんです。
じゃあ、どうすればいいか? 話しかけてみるのがいちばんです。どんなことでもいいから話しかけて、話をしてみる。話をしているうちに、何か共通点がみつかるかもしれません。まずそこが出発点です。勇気を出して話しかけてみて。
村上春樹拝