はじめまして。作品はほとんど読ませていただいております。
さて、私は大学で数学と物理の世界に魅了されて、現在は物理の研究職についております。具体的にはカオスという普遍的でおもしろい物理現象の研究です(この現象の魅力を直接お伝えしたいぐらいです)。
村上作品では音楽やお酒の話題はよく登場するのですが,数学や物理の話題は出たことがないと思います。
村上さまは数学や物理にどのような印象をお持ちでしょうか? おもしろさや美しさに共感を持っていただけるのか、それとも(多くの方がそうであるように)小難しく出来れば関わりたくない、というような印象をお持ちなのか、お聞きしたいと思っております。
(まさのぶ、男性、30歳、研究職)
『1Q84』の主人公の天吾くんは数学の先生をしています。『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の多崎つくるくんは大学の建築科を出ています。だからとくに文系の人だけを小説に登場させているわけではないんですが、物理学の人はいないですね。僕は高校時代じゃ、いろいろと事情があって(といっても要するに怠けていただけなんですが)、ほとんど物理・化学を抜きにして生きていましたので、物理学のことは正直言ってよく知らないんです。すみません。カオスにはとても興味があるのですが、数字が出てくるとちょっと弱いかもしれません。
村上春樹拝