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ドーナツの穴についての考察

村上さんこんにちは。
ドーナツについてです。以前、小説で村上さんはドーナツの穴について「ドーナツの穴を空白として捉えるか、あるいは存在として捉えるかはあくまで形而上的な問題であって、それでドーナツの味が少しなりとも変るわけではないのだ」と書かれていましたが、今はどうお考えですが? 同じような質問が、すでにたくさんきているかもしれませんが……。
最近では『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』という、文学や工学など大学の先生たちがそれぞれドーナツの穴を学術的に考察する、なんていう本も出ているそうです。日本人もなかなか酔狂ですね。
(かっぱまき、女性、24歳、会社員)

そうですか。そんな本まで出ているんだ。知りませんでした。たしかになかなか酔狂ですね。しかしドーナツの穴のあり方って、意外に存在というものの本質をついているのかもしれませんよ。昔から僕はそのように感じていました。子供の頃からドーナツを食べるたびに、その穴が気になってしかたありませんでした。

ところで上智大学ドーナツ研究会はまだ活動を続けているのでしょうか? 

村上春樹拝