二人は恋人・番外 「心の中」
舞HiME SS
激しく求められる度に、自分の何がそんなに欲しいのか疑問に思った-
優しく抱き締められる度に、どうしてそんなに優しくするのか、尋ねてみたくなった-
躊躇いがちに口付けられる度に、許可を与えているのに何を迷うのかと、心を覗きたくなった-
---そんな事を思う自分は、随分と彼女が好きなのだなと、納得をした。
何処か甘く感じる静留の唾液が、よく動く舌で口内の其処此処に広げられる。繋がる部分を持たない彼女が、精一杯自分と繋がる術を施している気がして、なつきは逆らう事無く、静留の唾液をコクリと飲み込んだ。
「なつき・・・。」
唇を離した静留が、首筋に、耳に、舌を這わせ、囁く。仰向けに寝せられたベッドの上で、自分に覆い被さっている静留の背中を、なつきは返事代わりにぽんぽんと軽く叩いた。静留はもう一度小さな声でなつきの名を呼ぶと、服の上から身体を擦っていた手を、裾からそろり差し入れ、直に皮膚に触れた。
けれど、静留の手はそれ以上進まない。
触れたと思った手は、また服の外へと出て行くと、なつきの黒髪を指で梳き、頬に触れ、首筋、肩を撫で、再び上って額で止まった。静留はなつきの顔に掛かる髪をやんわりと払い、額に、目尻に、鼻先に、頬に、顎に口付け、最後に唇に触れた。ちゅっちゅっと音を立てながら唇を啄ばみ、なつきがそれに応えると、舌を伸ばし、口内を探った。
先程からずっと進まない行為に、なつきはほんの少しだけ不安になって、目を開け、静留の顔を見る。静留は目を閉じて、一所懸命に口付けていた。ピントがぼやけた視界の中、なつきはしばし静留の顔を眺めると、やがて目を閉じ、静留の舌の動きに合わせて、自分の舌を動かした。
意味の無い、戯れだと思う。否、女同士で抱き合う事に、果たして、意味などあるのだろうか---
「・・・・しないの?」
キスの合間を縫って、なつきは静留に問う。
「あかん?」
「え?・・・あ、や、別にそうじゃないけど。・・・・したく、ならないのか?」
問われた静留はふっと笑むと、小さく「したい」と言った。
「---やて、こんままでええの。」
「・・・。」
続いた言葉に、なつきは黙る。
下腹部に熱の篭るような深い口付けを繰り返しているのに、本人も「したい」と性的な欲を認めているのに、行為に及ばないのは何故か。
「・・・何か、あった?」
なつきは身を起こし、体勢を変え、静留と横向きに並んで顔を見る。
「何も。ほんまやよ?」
静留はクスクスと笑うと、身を寄せ、なつきの胸の中に納まった。腕は自然となつきの腰に回され、互いの身体が密着する。
「・・・何や、気分やな。いちゃいちゃしとりたいん。」
言って、静留は目を閉じ、なつきに甘えた。
本当か、嘘か---
静留は本音を隠す事に長けている。だから、吐かれる言葉を素直に受け止めて良いのか、なつきは何時も判断に迷う。こんな時、心の中を覗きこむ事が出来たのなら、どれだけ楽な事だろう。
なつきは静留の背中を撫で、心臓がある高さで手を止めた。背中から鼓動は伝わってこないし、心も、そんな所にありはしない。わかりつつも、なつきは手のひらから静留の何かを感じようと集中する。しかし、何も感じられなくて、すぐに諦めた。
(静留は・・・・、難しい。)
それとも、難しいのは恋か---
留めていた手を動かし、背中を撫でていると、静留が再び目を開け、なつきを見た。
「どうした?」
「好き。」
ふにゃりと笑って、静留はなつきに頬をすり寄せ甘える。
難しいのは、静留か、それとも恋か---
(意味がわからん。)
なつきはころころと変わる静留の態度に、ふぅとこっそり息を吐く。答えは、簡単に出そうも無い。
激しく求められる度に、自分の何がそんなに欲しいのか疑問に思った-
優しく抱き締められる度に、どうしてそんなに優しくするのか、尋ねてみたくなった-
躊躇いがちに口付けられる度に、許可を与えているのに何を迷うのかと、心を覗きたくなった-
---そんな事を思う自分は、随分と彼女が好きなのだなと、納得をした。
何処か甘く感じる静留の唾液が、よく動く舌で口内の其処此処に広げられる。繋がる部分を持たない彼女が、精一杯自分と繋がる術を施している気がして、なつきは逆らう事無く、静留の唾液をコクリと飲み込んだ。
「なつき・・・。」
唇を離した静留が、首筋に、耳に、舌を這わせ、囁く。仰向けに寝せられたベッドの上で、自分に覆い被さっている静留の背中を、なつきは返事代わりにぽんぽんと軽く叩いた。静留はもう一度小さな声でなつきの名を呼ぶと、服の上から身体を擦っていた手を、裾からそろり差し入れ、直に皮膚に触れた。
けれど、静留の手はそれ以上進まない。
触れたと思った手は、また服の外へと出て行くと、なつきの黒髪を指で梳き、頬に触れ、首筋、肩を撫で、再び上って額で止まった。静留はなつきの顔に掛かる髪をやんわりと払い、額に、目尻に、鼻先に、頬に、顎に口付け、最後に唇に触れた。ちゅっちゅっと音を立てながら唇を啄ばみ、なつきがそれに応えると、舌を伸ばし、口内を探った。
先程からずっと進まない行為に、なつきはほんの少しだけ不安になって、目を開け、静留の顔を見る。静留は目を閉じて、一所懸命に口付けていた。ピントがぼやけた視界の中、なつきはしばし静留の顔を眺めると、やがて目を閉じ、静留の舌の動きに合わせて、自分の舌を動かした。
意味の無い、戯れだと思う。否、女同士で抱き合う事に、果たして、意味などあるのだろうか---
「・・・・しないの?」
キスの合間を縫って、なつきは静留に問う。
「あかん?」
「え?・・・あ、や、別にそうじゃないけど。・・・・したく、ならないのか?」
問われた静留はふっと笑むと、小さく「したい」と言った。
「---やて、こんままでええの。」
「・・・。」
続いた言葉に、なつきは黙る。
下腹部に熱の篭るような深い口付けを繰り返しているのに、本人も「したい」と性的な欲を認めているのに、行為に及ばないのは何故か。
「・・・何か、あった?」
なつきは身を起こし、体勢を変え、静留と横向きに並んで顔を見る。
「何も。ほんまやよ?」
静留はクスクスと笑うと、身を寄せ、なつきの胸の中に納まった。腕は自然となつきの腰に回され、互いの身体が密着する。
「・・・何や、気分やな。いちゃいちゃしとりたいん。」
言って、静留は目を閉じ、なつきに甘えた。
本当か、嘘か---
静留は本音を隠す事に長けている。だから、吐かれる言葉を素直に受け止めて良いのか、なつきは何時も判断に迷う。こんな時、心の中を覗きこむ事が出来たのなら、どれだけ楽な事だろう。
なつきは静留の背中を撫で、心臓がある高さで手を止めた。背中から鼓動は伝わってこないし、心も、そんな所にありはしない。わかりつつも、なつきは手のひらから静留の何かを感じようと集中する。しかし、何も感じられなくて、すぐに諦めた。
(静留は・・・・、難しい。)
それとも、難しいのは恋か---
留めていた手を動かし、背中を撫でていると、静留が再び目を開け、なつきを見た。
「どうした?」
「好き。」
ふにゃりと笑って、静留はなつきに頬をすり寄せ甘える。
難しいのは、静留か、それとも恋か---
(意味がわからん。)
なつきはころころと変わる静留の態度に、ふぅとこっそり息を吐く。答えは、簡単に出そうも無い。