はじめまして。私も村上主義者のひとりです。実は村上さんの作品を読んでいて、時々心配になることがあります。それは、作品の中によく反社会的な組織や団体のような存在が登場しますが、後からそのような関連の人から脅迫や圧力、嫌がらせなどを受けたり、身の危険を感じたことはないのでしょうか? もちろん、それは作品上重要なのでしょうが、小説とはいえ「大丈夫かなぁ」とつい心配になってしまいます。私は突然、無神経でしつこいセールスの電話があると、まるで“不法侵入”されたのと同じぐらい不快な気分が暫くおさまりません。村上さんはそんなこと気にしない方ですか?
(ハートフィールド、男性、51歳、文章づくり)
ときどき抗議の手紙が出版社あてに来たりしますが、それ以上のことは今までのところありません。僕が心配したのは『海辺のカフカ』でジョニー・ウォーカーやカーネル・サンダースを勝手に使ったことで(猫殺しやポン引きとして)、酒造会社やフライドチキン屋さんから抗議がくるんじゃないかということでした。でもどちらもオーケーでした。笑ってすませてくれたみたいです。よかった。
お気遣いありがとうございます。
村上春樹拝