初めまして。最近になって、貴氏が神戸の三宮にあった「マスダ名曲堂」の常連だったと知りました。私は、小学生の頃から、ご店主が脳卒中で亡くなるまでレコードはマスダ名曲堂で買っていました。増田のおじさんに「存在価値のある人間にならなあかんで」と言われたのをよく覚えています(まったく実現できていませんが)。村上さんの、マスダ名曲堂の思い出をお聞かせ頂ければ幸いです。
(nailsweet、男性、47歳、会社員)
「マスダ名曲堂」懐かしいですね。僕もあそこでよくレコードを買いました。あの頃(高校時代です)、僕はウラジミール・アシュケナージに夢中になっていて、アシュケナージの演奏するラフマニノフのピアノ協奏曲3番(LONDON)を買ったことを記憶しています。フィストラーリが指揮しているやつ。輸入盤で高かったけど、とても大事に聴きました。アシュケナージも若かったけど、僕も若かった。今でも「らふさん」を聴くたびに(裸婦さんみたいですね)、マスダ名曲堂のおじさんの顔をふと思い出してしまいます。
村上春樹拝