春樹さん、こんばんは。
2つ目の相談をさせてください。
私は、小さい頃からハンカチを触りながらじゃないと眠れません。夜中、急に目覚めて、その時ハンカチが見つからないと、パニックになります。ハンカチも、どんなものでもいいワケではなく、触り心地に納得のいくものを探し回り、気に入ったハンカチの角に全部穴があくまで、洗濯もせず触り続けます。今使っているハンカチの寿命が近いのですが、どれだけ探してもピンとくるハンカチに出逢えません。私のハンカチは、どこにあるのでしょう? 私は、ハンカチと別れられると思いますか? ちなみに、私はハンカチの日生まれです。
(るる、女性、40歳、母)
ハンカチの日ってあるんですか。知りませんでした。きっとハンカチ業界がつくったんでしょうね。あまり一般には知られていないようですが。
ハンカチを握ってないと眠れない。僕はとくにそういう「これがないと」というものはないので、その実感がよく理解できません。漫画『ピーナッツ』におけるライナスの毛布みたいなものなんですね。ハンカチ依存症。でもアルコールとか薬物とかギャンブルとかへの依存に比べたら、まだハンカチでよかったじゃないですか。法律でも禁止されていないし、まあそんな高価なものでもないし。今のハンカチが駄目にならないうちに、気に入ったハンカチがみつかるといいですね。どんなハンカチがあなたのお気に召すのか、いつか細部を教えてください。興味があります。
村上春樹拝