こんにちは、春樹さん。
私の母(72)が数年前から、プチ村上主義者になってます。
会えば、何かないー? と聞いてきます。いっぱいあるよと思いながら、大好きな『世界の終り……』を貸したのですが、なんと!!
「やみくろが怖くて、どうしても読めない……読みたいんだけど……」と悲しそうに返してきました。気分まで悪くなってしまうと。
皮剥ぎボリスもジョニー・ウォーカーもなんとか乗り越えたのに、やみくろだけは無理みたいです。
どうすれば、母はやみくろを乗り越える事ができるのでしょうか?
娘の励ましは届きません。
どうか、アドバイスとエールをお願いします。
ちなみに母のお気に入りは『ねじまき鳥クロニクル』だそうです。
よろしくお願いします。チャオ。
(やっぱり猫が好き、女性、40歳、派遣社員)
しかし皮剥ぎボリスとジョニー・ウォーカーがオーケーで、やみくろがだめというのは、ちょっと珍しいケースですね。やみくろ、そんなに怖かったかなあ。僕は書いていてそんなに怖いとは思いませんでしたが。お母さんには何かしら、やみくろ的なるものを恐れる部分があるのかもしれません。人間の恐怖心にはそれぞれに特徴がありますから。僕はポーの「落とし穴と振り子」がすごく怖くて苦手です。
村上春樹拝