春樹さんは「カキ小屋」ってご存知ですか?
私の住む九州北部地方の沿岸部では冬期限定でカキ小屋とよばれる焼きカキのお店(といってもたいていビニールで囲まれただけの大型露店のようなもの)があちらこちらに出没します。中にはバーベキューのような炭火が各テーブルに用意されており、最近でこそカキ以外の魚介や肉などを出す所も出てきましたが、基本的にはただひたすらカキを焼いて食べるというごくシンプルなもの。私はこのカキ小屋が大好きで毎年寒くなってくると親しい人達と連れ立っていそいそと訪ねるのが何よりの楽しみなんです。ぱちぱちっとカキの殻が弾け、ぱんぱんに膨らんだカキをナイフで殻から外し熱々のうちに口に運ぶ。醤油やレモンをかけなくともカキの自然な塩気だけで充分に美味しくて、また一つまた一つと焼いては食べ、食べては焼く。気がつけば1人で2~3キロはぺろっと食べてしまいます。産地や時期により大きさや味わいも違うのでそれぞれのお店で食べ比べるのも楽しみの一つです。ある時は夢中で食べ続けてさすがにもういいかな、と飽きてきた頃にお店のおばちゃんがささっと残りをカキフライにしてくれて、それがまぁビックリするくらい美味しくて。未だにあのカキフライを超えるものに出会ったことがありません。
春樹さんがもし3月くらいまでの間に九州にいらっしゃることがあれば、是非カキ小屋に行ってみて下さい。もちろん美味しい生ビールもありますよー!
(よく牡蠣食う客、女性、36歳)
読んでいるだけで口の中につばがたまりそうです。すごくおいしそうですね。今はもう四月なので遅すぎるけど、今度冬場に是非九州に行ってみましょう。僕は牡蠣ってほんとに好きなんです。
村上春樹拝