村上さんのエッセイで何度も引用されている「どんな髭剃りにも哲学はある」、というモームの言葉がとても好きで、ずっと人生哲学として生きてきました。
どうしても原典にあたりたくて(職業柄必ず原典を調べる癖があるのです)、モームの作品を大分読みましたが、まだ見つけられません。
村上さんはどこに書かれていたか忘れたとおっしゃっていましたが、もし作品名など覚えてることがあれば是非教えていただけないでしょうか。
原文ではどのような表現だったかもご記憶でしたらご教示いただけないでしょうか。
よろしくお願いします。
(小滝、女性、40くらい)
実を言いますと、あれは僕の高校時代の英語の参考書に何かの例文として出ていたんです。原典がどこなのか、僕にもわかりません。ずいぶんモームを読んだんですが、その文章にはとうとう出くわしませんでした。誰かご存じの方がいたら、教えてもらいたいものです。
今でも髭を剃るたびに、その言葉をふと思い出します。しかしもう五十年近く髭を剃っておりますが、たいした哲学って身につかなかったかもな、とか思います。僕の人生っていったい何だったんだろう?
村上春樹拝