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 床のゴミをテープで取る粘着クリーナーを開発したニトムズ(東京)が、自社商品を「コロコロ」と名づけて今年で30年。この分野は今年度、100億円市場になる見通し。5月6日は日本記念日協会認定の「コロコロの日」でもある。

 はじまりは、はえたたきのような粘着式ゴキブリ取り機だった。1978年に売り出すも大失敗。返品の山を整理した女性社員が、逆巻きにした粘着テープで服のホコリを取っていた。

 それをヒントに開発。83年に発売すると「あのコロコロしたのがほしい」と消費者からの声が殺到した。85年に商品名を「コロコロ」にして商標登録した。

 競合他社も参入し、市場は拡大した。ニトムズは、カーペットとフローリング両用の開発など、消費者の声を聞いて技術革新をしてきたこともあり、常に50%超の市場占有率を維持してきた。これまでに長さ地球10周分のテープを売ってきた。事業部長の福井哲さん(47)は「住環境の変化に合わせ、これからも革新を起こします」と話している。(編集委員・中島隆)