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このように東京大都市の自然環境は、寺社を除いて、
権力者が作ってきたものばかりであり、それらは現在、行政が引き継いで存続しています。
また、諸外国にある有名な緑地や庭園もそのほとんどが、かつての王政や貴族という、
その時代に力と富を持った権力者が、緑豊かな自然環境を作り、現在に保持してきたのです。
それらと比べて、第二の都市といわれる大阪には緑が格段に少ないのはなぜなのでしょうか。
もちろん大阪には、大阪城や中之島公園、谷町筋の寺には緑がありますが、東京に比べればはるかに緑が少ない。
では、大阪人は緑を愛していないのかというと、決してそうではありません。
大阪の人たちは草木や花をこよなく愛しています。
大阪のどこの路地に入りこんでも、狭い玄関先や軒並みには、
小さな鉢植えがところ狭しと置かれ、季節の花が色とりどりに咲き香っています。
しかし、大規模な緑の空間に出会うことはめったにありません。
それは、なぜなのでしょうか。
なぜ大阪には緑の空間が少ないのでしょうか。
いろんな見方はあると思うのですが、東京と決定的にちがうのは、
大阪は庶民の町であり、権力者の町ではなかったからだという見方ができます。
大阪の歴史を紐解くと、江戸時代、近松門左衛門や井原西鶴の文化人たちが描いたように、
天下の台所の大阪の主役は、まちがいなく「庶民」でした。
大都市に住む庶民の空間は狭い。
それまでの大きな土地は細かく区画し、分割され、庶民はその狭い空間に肩を寄せ合って生きています。
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