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 火山性地震が増加していた箱根山(神奈川県)について、気象庁は6日、噴火警戒レベル1(平常)から、火口周辺の立ち入りを規制するレベル2に引き上げる火口周辺警報を発表した。同庁は今後、火口付近の大涌谷で小規模な噴火が発生し、噴石や火山灰が飛散する恐れもあるとして警戒を呼びかけている。

 箱根山ではレベル2となるのは、2009年3月に警戒レベルが導入されて以来初めて。

 気象庁によると、4月26日以降、箱根山では火山性地震が増え始めた。5日はこれまでで1日の回数としては最多となる116回を観測し、体に感じる震度1の揺れも3回あった。このうち5日夜の地震では、震源の深さが約5キロとこれまでの2回よりも深い場所で起こり、地表に近いところにある熱せられた地下水が不安定になり、水蒸気爆発の可能性があるという。

 記者会見した同庁の北川貞之火山課長は「大きな噴火が発生するとは考えていない。(噴火した場合の)影響は大涌谷周辺に限られ、周辺の温泉施設への影響はないが、十分警戒してほしい」としている。

 噴火警戒レベルの引きあげを受け、同県箱根町は大涌谷周辺を通る箱根ロープウェイの全線運休をはじめ、一部の県道と自然探勝歩道を通行止めにすることを決めた。