グロブスターとは突如、海岸に漂着する巨大な肉の塊のことである。米国の太平洋沿岸から南米、ニュージーランドの沿岸、中国の沿岸などに度々流れついている。
このグロブスターという言葉は、動物学者アイヴァン・サンダーソン(Ivan T.Sanderson)が考案した造語であり、グロテスクな肉の塊という意味である(ちなみに、このサンダーソンはオーパーツという造語も作り出している)。
主に太平洋に多いが、大西洋やインド洋でも確認されており、インドでは「シーエレファント」というユニークな呼び名で呼ばれたこともある。
我が国でも奄美大島で漂着事例が何度か確認されている。
その正体は謎に包まれており、よく分からないというのが真相である。
一説にはクジラの死骸の脂肪部分が剥離し、漂着したのではないかと推測されているがDNA検査したわけでもなく、確定事項には至っていない。
また、他の説では海中の有機成分が凝縮した「マリンスノー」という物体が漂着したのではないかとも言われている。
この「マリンスノー」には不気味な伝説がある。多くの生物の遺体の集合体であるこの物体は、海中でダイバーに出会うと自らの体内にダイバーを取り込もうとするというのだ。(ふわっ)と「マリンスノー」に取り囲まれたあるダイバーは、なんともいえない幸福感を感じたという。
2013年2月17日、奄美大島・安木屋場の海岸にグロブスターが漂着した。地元に居住している筆者のツイッターのフォロワーさんから情報が寄せられ、写真が送られてきた。
興奮した筆者は、このフォロワーさんの協力のもと、サンプルを瓶の中に採取することに成功。後日クール宅配便で送られてきたサンプルは、山口敏太郎事務所の冷凍庫に眠ることになった。このサンプルをいつかDNA分析したいと思う。もちろん十数万円という費用をカンパしてくれるテレビ番組が出てきたらの話ではあるが…。
ちなみに、このグロブスターとおぼしき物体は、過去にも漂着している。「今昔物語集 巻第三十一 本朝 付雑事」によると、藤原伸道という人が、常陸守としてその国にあったとき、巨人が漂着した。風が激しく吹いた翌朝、東西の浜というところに巨大な死人が流れ着いた。巨人の身長はおよそ五丈(15メートル)ほどであり、胴体は半分ほど砂に埋もれていたが、頭部はなく右腕、左足も欠落していた。
いかがであろうか、まさにグロブスターではないか。東京スポーツ本紙(東スポWebでは4月7日公開)では、奄美大島に漂着したグロブスターの正体は「南極のニンゲン」という怪物ではないか?と大胆な仮説を披露したが、この今昔物語の巨人はまさにニンゲンそのものである。
【参考動画】
☆uma図鑑 グロブスター
☆山口敏太郎事務所に「グロブスター」現れる?
☆グロブスター漂着す! 南極のニンゲンか?①
☆グロブスター漂着す! 南極のニンゲンか?②
☆グロブスター連続写真