台湾 2012/04/02(月曜日)
台湾高速鉄道、開通5年で初の黒字化[運輸]
台湾の新幹線を運営する台湾高鉄公司は3月30日、2011年の財務報告を公表した。純利益は57億8,300万台湾元(約162億円)で、07年の開通から5年で初の黒字を達成した。
広報責任者の賈先徳氏によると、昨年の売上原価192億5,500万元のうち、減価償却費が106億4,700万元で過半を占めた。輸送量の増加に伴い減価償却費はさらに上昇し、純利益を浸食するとみられる。賈氏は「一時的な利益で紙の上だけの富だ」と語った。
新駅3カ所の設置、車両の購入、政府への返金など今後は膨大な支出が見込まれ、特に減価償却費問題を早急に解決しないと同社の今後の経営は不安材料が多い。
賈氏によると、昨年の純利益57億8,300万元のうち、所得税の繰り延べによる利益が25億9,700万元。売り上げ増による実質的な利益は31億8,600万元にとどまる。
また、同社の累積赤字は、昨年の純利益を差し引いてなお677億元余りあり配当はできないという。