総務省:捜査にGPS規制緩和の方針 通知せず位置把握
毎日新聞 2015年04月17日 20時21分
総務省は17日、携帯電話の全地球測位システム(GPS)を犯罪捜査に活用しやすくする規制緩和に踏み切る方針を固めた。GPSで容疑者の位置情報を取得する場合、現在は相手に通知する必要があり、容疑者に捜査状況を伝えることになる。この手続きを不要にし、捜査機関が容疑者に気づかれずに居場所を把握できるようにする。
通信事業者向けの個人情報保護に関するガイドライン(指針)の見直し案を同日公表、意見公募を経て6月にも改正する。指針には2011年、警察などの捜査機関がGPSの位置情報を捜査に使う際のルールが盛り込まれた。プライバシー保護の観点から、携帯端末利用者の位置情報を取得する場合は、利用者に音や表示で知らせることを条件にしている。警察庁は「捜査に支障がある」と見直しを求めていた。
見直し案では、犯罪捜査に使う場合は利用者に情報の取得を知らせなくてもよくする。誘拐事件や振り込め詐欺の早期解決や、容疑者の逃走防止などに役立つと見られる。
ただ、見直し案はどういった犯罪捜査が対象になるかなどを具体的に示していないため、捜査機関による乱用を懸念する声もある。一方で、GPS情報の利用には裁判官の令状が引き続き必要なため、総務省は乱用の歯止めになると説明している。【横山三加子】