プーチン大統領:「北方領土、日本と話し合う用意ある」

毎日新聞 2015年04月16日 23時46分

 【モスクワ真野森作】ロシアのプーチン大統領は16日、昨年3月にロシアが一方的に編入したウクライナ南部クリミア半島と日本の北方領土について「全く異なる状況だ。(北方領土については)我々は日本と話し合う用意がある」と述べた。「1956年の文書もその基礎になる」として、北方四島のうち色丹島・歯舞群島2島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言を重視する姿勢を改めて示した。

 プーチン氏が、クリミア編入との対比で北方領土問題への態度を明らかにしたのは初めてとみられる。国民とのテレビ対話番組への出演後、各国記者団の質問に答えた。

 プーチン氏は、北方領土について「自分の考えはクリミア(編入)を経ても全く変わっていない」と強調。領土問題を含む日露の平和条約交渉が「日本側のせいで事実上、止まっている」と指摘し、ウクライナ危機を受けてロシアと距離を置く日本政府を批判した。

 また、クリミア編入前に住民投票が実施されたことを「民主主義だ」と強弁し、「(北方領土に住むロシア人の)島民が日本への編入に投票することはないだろうから状況は異なる」と述べた。

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