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時代の正体〈90〉日本会議を追う(下)

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  • 神奈川新聞
  • 公開:2015/05/05 10:29 更新:2015/05/05 10:44
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 日本会議のホームページ、要綱や設立宣言を紹介する「日本会議とは」の項目に「草の根」「国民運動」の文字が頻出する。

 〈私達「日本会議」は、前身団体である「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」とが統合し、平成9年5月30日に設立された全国に草の根ネットワークをもつ国民運動団体です〉

 〈私達の国民運動は、これまでに、明治・大正・昭和の元号法制化の実現、昭和天皇御在位60年や今上陛下の御即位などの皇室のご慶事をお祝いする奉祝運動、教育の正常化や歴史教科書の編纂(へんさん)事業、終戦50年に際しての戦没者追悼行事やアジア共生の祭典の開催、自衛隊PKO活動への支援、伝統に基づく国家理念を提唱した新憲法の提唱など、30有余年にわたり正しい日本の進路を求めて力強い国民運動を全国において展開してきました〉

 〈また、私達の新しい国民運動に呼応して、国会においては超党派による「日本会議国会議員懇談会」が設立されています。私達は、美しい日本の再建をめざし、国会議員の皆さんとともに全国津々浦々で草の根国民運動を展開します〉

 そして1997年の設立から18年を経た今、国会議員懇談会所属の議員とともに「全国津々浦々の草の根国民運動」を担うのが、日本会議地方議員連盟に加盟する都道府県、市町村議員。約1700人を数え、県内にも47人の県議と首長、59人の市区町村議員がいる(3月末現在)。

 地方議連は2007年に発足。都道府県本部の下に地域支部を設立する動きがその前年から本格化した。県内では横浜、川崎、川崎北、相模原、横須賀、西湘北、湘南西、湘南東の8支部が活動している。

 当初から草の根の活動を標榜(ひょうぼう)してきた日本会議だが、その動向を追い続ける「子どもと教科書全国ネット21」事務局長の俵義文さんは「とりわけ改憲については、都道府県レベルから市区町村レベルにまで浸透させ、憲法を変えようという声を拡大させようとしている」と説明する。全国規模での署名集めは過去に実施済みだが、憲法改正実現へ、例のない「1千万人署名」を目標に掲げる。

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