ＮＨＫ職員が架空発注　懲戒免職　280万円振り込ませる

　ＮＨＫは１６日、架空の音響設備工事を発注してＮＨＫから業者に約２８０万円を振り込ませていたとして、ＮＨＫ放送技術研究所の主任研究員（５５）を懲戒免職にしたと発表した。

　研究員は業者から百数十万円相当の物品を受け取っていた。ＮＨＫは近く、詐欺の疑いで警視庁に告訴する方針。またＮＨＫは、当時の上司２人を減給などの処分にした。

　ＮＨＫによると、研究員は昨年３月、業者と相談してスタジオの音響設備の工事を架空発注し、ＮＨＫに２７９万３０００円を支払わせた。２００８年から１１年まで、この業者から３回にわたり、デジタルカメラやパソコンなどの物品を受け取っていた。研究員は事実関係を認めているという。

　研究員と業者は１０数年前に知り合い、仕事の付き合いが続いていた。動機について、１６日に記者会見したＮＨＫの担当者は「本人と業者の言い分が食い違う」などとして、明らかにしなかった。