ホーチミン=佐々木学
2015年5月5日09時15分
ベトナム戦争が終結して40年。南部ホーチミン(旧サイゴン)では「戦勝」を祝う式典が4月30日にあったが、米軍が散布した枯れ葉剤の被害は世代を越え、今も多くの人々を苦しめている。その実情を伝えるため、活動を続ける日本人とベトナム人たちがいる。
■被害、いまも続く
人口約795万人、南部の商都ホーチミンに、産科で有名なツーズー病院がある。枯れ葉剤の影響で身体や脳に障害を負った子供たちが、病院内の施設「平和村」で暮らしている。
「久しぶりです」。4月1日、グエン・ドクさん(34)は車いすで旧知の報道写真家・中村梧郎さん(74)=さいたま市=を出迎え、日本語であいさつした。ドクさんは両親が枯れ葉剤を浴び、結合双生児として生まれた。1988年にこの病院で分離手術を受け、今は職員として働く。
「奥さんとお子さんは元気?」。中村さんが聞くと、ドクさんは「はい。もう秋から小学生です」と言って、少しはにかんだ。
手術後、足を1本ずつ分け合った兄ベトさんは2007年に他界した。ドクさんは06年に結婚、09年に双子の父になった。妻が懐妊したときは「僕とベトと同じ?」と心配した。枯れ葉剤は3世への影響も報告されている。「どんな子でも愛する」。そう妻と決意。双子に障害はなかった。
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