イスラエル:エチオピア系市民ら「人種差別」抗議デモ

毎日新聞 2015年05月05日 01時33分(最終更新 05月05日 01時47分)

警官による「人種差別」などに抗議し、デモを行うエチオピア系市民ら=テルアビブで2015年5月3日、ロイター
警官による「人種差別」などに抗議し、デモを行うエチオピア系市民ら=テルアビブで2015年5月3日、ロイター

 【エルサレム大治朋子】イスラエル最大の商業都市テルアビブで3日夜、「人種差別」などに抗議するエチオピア系市民らによる数千人規模のデモがあり、一部が治安当局と衝突、地元メディアによると60人以上が負傷し、40人余りが逮捕された。4月末にエチオピア系兵士が路上で明確な理由もなく警官の暴行を受け逮捕されたことが引き金で、背景には「二級市民」のような差別を受けてきたとするエチオピア系市民の強い不満がある。

 テルアビブで当局に対する大規模な抗議運動が起きるのは異例。ネタニヤフ首相は3日夜、声明を出し、事態沈静化を呼びかけた。地元メディアによると、デモ隊の一部は投石したり商店を破壊したりし、治安当局は催涙弾や放水で鎮圧した。

 デモ参加者の大半は1970年代以降にエチオピアから移り住んだ移民の第2世代。「我々は黒人でも白人でもない。人間だ」と訴え、「暴力警官こそ逮捕されるべきだ」と主張した。警察は兵士を暴行した警官を解雇する方針。

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