最終日、16番でバーディーパットを外し、パターを投げて悔しがる近藤共弘=名古屋GC和合で(野村和宏撮影)
|
 |
◇中日クラウンズ<最終日>
▽3日、愛知県東郷町、名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(6545ヤード、パー70)▽曇り、気温23.4度、南南西3.1メートル▽賞金総額1億2000万円、優勝2400万円▽61選手▽観衆1万915人
首位スタートのI・J・ジャン(韓国)が67で回って、通算10アンダーで今季初勝利、ツアー通算3勝目を挙げた。4打差の2位に近藤共弘(37)、谷原秀人(36)=国際スポーツ振興協会、山下和宏(41)=ザ・サイプレスGC=の3人が入った。首位で出た片山晋呉(42)=イーグルポイントGC=は通算2アンダーの10位。
追いつき、追い越せる。首位を走るジャンと2打差。2年続けて最終日を最終組で迎えた近藤共は、そう確信していた。
1番パー4。2打目をピンそば1メートルにつけ、バーディー発進した。3番パー4。今度は10メートルのロングパットを必死で沈めた。クールな男が右拳を握り、珍しくガッツポーズした。序盤3ホールで早々と並び、誰もが逆転劇を想像した。
だが、前の組と間が空き始め、プレーを速くするよう促されると、好調なリズムは寸断され、思い描いたシナリオまで暗転した。
「ショットに関して、ゆっくり、ゆったり振りたいというのがテーマだった。だけど、急がされて、競技委員がついてきて…。そんな簡単じゃない。もう少し、ゆったりできれば良かった」
好機のパットを外し続ける我慢の展開が続いた。その流れが決壊したのは、14番パー4だった。
2打目がグリーン奥へ外れ、リカバリーのアプローチも寄り切らずに痛恨のボギー。「しんどくなった。15番からリズムが悪くなって、焦ってしまった」。同じ14番で苦境に陥ったジャンは難易度の高いパットを沈め、パーを拾った。事実上の勝敗が決した瞬間だった。
ただ、手にした収穫は勝敗以上に大きい。近藤共は「去年より、今週の方が手応えを感じている。技術的にも、内容的にもいい」と断言し、「(今季は)いい方向に行きそうな気がする」。その視線の先には、悲願の賞金王がはっきりと見えている。 (松岡祐司)
この記事を印刷する