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【世界遺産登録へ】韓国が反対運動、予断許さず

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【世界遺産登録へ】
韓国が反対運動、予断許さず

 イコモスの登録勧告を受け、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産入りが大きく前進した。世界遺産委員会では原則、勧告が覆されることはないが、今回は韓国が各国で反対運動を展開、最終決定まで予断を許さない。

 日本側も各国に賛同を働きかけており、水面下で熾烈(しれつ)な“外交戦争”が繰り広げられている。韓国が登録に反対しているのは、三菱長崎造船所や端島(はしま)炭坑(軍艦島)など7施設。いずれも韓国側が朝鮮人の強制徴用などが行われたと主張している施設だ。日本が推薦した候補で歴史問題が持ち上がったのは、平成8年に登録された原爆ドーム(広島県)に米国が不支持、中国が立場留保を表明して以来だが、当時も反対運動までは起きなかった。

 世界遺産委は日本と韓国を含む21の委員国で構成される。韓国は朴槿恵大統領自身が4月にコロンビアやペルーなどの委員国を歴訪し、登録反対を訴えて回っている。

 外務省関係者によると、韓国からの働きかけを受けた議長国のドイツが日本側に韓国との話し合いや、産業遺産に「強制徴用」についての記念碑建立などを促すなど影響が出ているという。当事国のため発言できない日本は、友好国による反論を通じて投票による決定に持ち込むシナリオだ。

 投票では決定に3分の2が必要。票数が足りなければ、来年以降の継続審議となる可能性もあるため、日本側も投票に向けロビー活動を強めている。

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