中川淳一郎、ノンフィクションに目覚める
中川淳一郎(以下、中川) ちょっとレベルの低い話だけど、俺最近、突然ノンフィクションに目覚めちゃったんですよ。それがちょっと自慢なの。
漆原直行(以下、漆原) 読者として?
中川 基本的には読者として。ただその一方で、仕事人として読まなければならないという意識もある。ふたりはよく知ってると思うけど、俺、インターネットのニュースサイトというとにかく粗製濫造すればいいという雰囲気のところに足を踏み入れてしまっている。だけどノンフィクションはまったく逆でしょ? いつ世に出るか、ヘタすると世に出るかわからないもののために、時には自腹で取材に行って事実関係を洗っていく。自分の仕事の対極にあるものを知っておかないといけないという気持ちもあってね。
山本一郎(以下、山本) 例えばどんなノンフィクションを読んでるの?
中川 きっかけは増田俊也さんの『VTJ前夜の中井祐樹』に感動したことだったんですよ。徹底的に調べて、風呂も入らないでただひたすら丹念に事実を拾う。いまノンフィクションのそういう姿勢を学ぼうとしてるの。同じく増田さんの『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』も読んだし、違う系統だと毎日新聞の須田桃子記者が書いた『捏造の科学者』も読んだ。
漆原 あ、STAP細胞事件の検証本か。
山本 ノンフィクションでマジメにやってるジャーナリストの本はおもしろい。STAP関連で言うとサイエンスライターの片瀬久美子の『もうダマされないための「科学」講義』とか。科学だけじゃなく、時事、経済……何を読んで自分の暮らしにどう役立てるのか。本を選ぶとき、常に念頭に置いておこうと自分でも意識しています。
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