技のつなぎは「はい、ジャンプを跳びますよ」と演技が一つ一つ途切れるのではなくて、うまくつながっていて自然な流れになっているかがカギになる。ジャンプについていうと、多かれ少なかれ準備動作があり、評価を得るのが一番難しい項目かもしれない。
■演技の表現、プログラムの出来が左右
演技の表現、振り付け、曲の解釈の3項目は重なる部分も多い。演技の表現はプログラムの出来が左右する。いい演技をすればパフォーマンスが上がっていい評価になる。音楽との関係や滑る選手が持っている個性をうまく生かしているかどうかも大きい。
振り付けはジャンプやスピンの一つ一つが、リンク全体にどうレイアウトされているかという点も審判は見ている。リンクの同じところで同じジャンプを跳んでいたり、ジャンプがプログラムの前半に集中していたりすれば、いまひとつの評価となる。配置のバランスのよさもシビアに見ている。一番大事な点はその選手が持っている能力を音楽と調和させること。その要素の中にバランスがとれたプログラム内容を考えていくことが大切だ。選手を生かすも殺すもプログラム次第だといえる。
曲の解釈は音楽の持つ雰囲気や情感を選手がどれだけ出しているか。「滑りそのものが音楽だ」となってくると高い得点が出る。たとえば浅田、鈴木明子(邦和スポーツランド)はそれを感じさせる選手だ。経験が浅い選手には情感を出すことは難しく、年齢が左右する部分でもある。
■フィギュアと音楽、切り離せず
フィギュアと音楽は切っても切り離せない。ステップ一つとっても、音楽性によって体をひねったり、手足を十分に使ったり、いろいろな表現法がある。いくら難しい内容を盛り込んで得点を取ろうと思っても、音楽そのものを体全体で表現できなければ高い評価は得られない。音楽と調和のとれたプログラムを、会場の空間まで利用するように立体的に表現できれば、審判も感銘を受け、演技構成点は伸びる。審判は一つ一つの技術からプログラム全体まで見ており、ありとあらゆる面をチェックしている。
(日本スケート連盟名誉レフェリー)
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