アジア向け投資拡充=麻生財務相が新構想表明―日中韓、金融協力で一致[時事]
- ガジェット通信を≫
- @getnewsfeedさんをフォロー
【バクー時事】麻生太郎財務相は3日午前(日本時間同日午後)、アゼルバイジャンの首都バクーで開かれているアジア開発銀行(ADB)総会の関連セミナーで講演し、「良質なインフラ投資を促進するための新たなイニシアチブ(構想)を推進する」と表明。アジア向けインフラ投資を官民一体で質的・量的に拡充する方針を明らかにした。
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に注目が集まる中、毎年8000億ドル(約96兆円)とも言われるアジアのインフラ需要に日本としてどう応えるか基本戦略を示したものだ。財務省幹部は「AIIBに対抗するものではない」と解説するが、人材育成や技術移転を含めた支援の「質」で差別化を図る狙いがあるとみられる。今後、日本政府内で詳細を検討する。
麻生財務相は「良質なインフラは初期投資が多少高くても、長い目で見れば受益国の国民負担軽減と高い開発効果につながる」と強調。国際協力機構(JICA)とADBによる官民連携枠組みの創設や、国際協力銀行(JBIC)の財務・人材強化も進める方針を示した。
この後記者会見した麻生財務相は「(開発途上国が)『とにかく橋を』と言うのは分かるが、洪水のたびに流れるのでは(困る)」と、質の高いインフラ投資を進める必要性を語った。
同セミナーには中国の楼継偉財政相も出席。楼氏は「われわれは(国内でも)辺境地域にたくさん投資していく必要がある」と述べ、大量のインフラ需要がアジアにあることを強調した。
一方、セミナーに先立ち開かれた日中韓財務相・中央銀行総裁会議では、麻生氏と黒田東彦日銀総裁が楼財政相らと意見交換。終了後に「地域金融協力の強化」への決意などを盛り込んだ共同声明を発表した。声明はAIIBには言及せず、会議での議論も「一切なかった」(麻生財務相)という。
[時事通信社]