新日本プロレスの両国国技館大会(14日)で、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(25)が棚橋弘至(36)の挑戦を退け5度目の防衛に成功した。オカダは実に1年8か月に及んだ「カネVS愛」の頂上決戦で、無情にもカネに軍配が上がった理由を本紙に告白した。
通算2勝2敗1分けで迎えた棚橋との完全決着戦。一進一退の攻防が動いたのは30分過ぎだった。棚橋のおきて破りの逆レインメーカーを浴びたオカダは、ハイフライフローの餌食となる。
それでも2発目を何とかヒザで迎撃すると、ツームストーンパイルドライバーで反撃。最後の最後まで続いた技の読み合いの末、ついに必殺のレインメーカーを炸裂させ3カウントを奪った。
昨年2月のIWGP戦から続いた両雄の抗争はこれにて終結。「カネの雨を降らせる」(オカダ)VS「愛してま~す」(棚橋)という「カネか愛か?」の抗争は、レインメーカーに軍配が上がった。
何とも世の不条理を思わせる結末だが、実はその裏にはオカダに課せられた悲しき覚悟があった。
今年2月、新日プロとの契約更改の場でのこと。オカダは菅林直樹会長(当時社長)からある“裏条項”を結ばされていたのだ。それはズバリ、アイドルグループAKB48の「恋愛禁止」を思わせる「結婚禁止令」。オカダは「契約書にそう書いてありますからね」と明かす。
新日プロ歴代エースの女難…はさておき、オカダは団体唯一の20代スター選手。結婚することで女性人気が低下する事態を団体側が恐れてのこととみられる。しかも当のオカダは「別にパフォーマンスには影響ないと思いますけど。でもあれは菅林さんなりの『今はプロレスだけに打ち込め』というメッセージだと思ってます」と妙に聞き分けがいい。
もともとオカダは私生活からレインメーカーぶりを徹底しており「僕が愛してるのはおカネっすから。結婚願望ですか? 特にありません」と、愛とは対極の道に生きる覚悟を持っていた。
2012年1月の凱旋帰国後は彼女ナシの生活を送っており、やたらストイックな一面を持つ。プロレスに全てをささげるべく愛を捨てた男が、愛を打ち砕いた形だ。
試合後のリング上では極悪外国人軍団バレットクラブに襲撃され、11月9日大阪ボディメーカーコロシアム大会ではカール・アンダーソンとのV6戦が決定的。名実ともに新日プロのトップとなったオカダが、年内最後の防衛戦をクリアし、2年連続1・4東京ドーム大会メーンイベンターの座を手に入れる。
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