ニュース詳細
山手線 トラブル前に支柱に大きな傾き5月4日 19時13分
k10010069961_201505041923_201505041923.mp4
東京のJR山手線で線路脇の支柱が倒れてレールに接触したトラブルで、トラブルの前に支柱が基礎の部分から大きく傾いていたことが、当時、現場で撮影された写真で明らかになりました。専門家は「現場が直ちに緊急事態だと認識しなかったのは問題だ」として、教育や訓練の在り方を見直す必要があると指摘しています。
先月12日、東京・千代田区のJR山手線で、線路脇にある架線の支柱が倒れてレールに接触するなどした問題では、トラブルの2日前に工事の担当者らが支柱が傾いていることに気付きましたが、当時、すぐに倒れる危険はないと判断し、改修は行われませんでした。現在、国の運輸安全委員会やJR東日本などがトラブルの原因や経緯を調べていますが、トラブルの前に支柱が傾いていたときの状況が、当時、現場で撮影された写真で明らかになりました。
写真では、支柱がワイヤーに引っ張られる形で基礎の部分から傾き、支柱の後ろに見える工事用の車両や建物と比べると、傾きが大きいことが分かります。これについて、電気鉄道に詳しい工学院大学の高木亮准教授は「この状態を見て、現場が直ちに緊急事態だと認識しなかったのは問題だ。大きな力がかかる場所であり、ここから先は倒れるスピードが急速に速まると考えて、緊急な措置を講じるべきだった。現場の人たちが危険を予知する感覚を研ぎ澄ませるように、教育や訓練のやり方を再考しなければならない」と指摘しています。こうした状況について、JR東日本は「緊急性がないと判断し、その後、改修する計画にしていたが、結果的に判断が甘かったと考えている」としています。
また、その後のJRなどの調べで、社内の情報共有に問題があった可能性があることも分かりました。これまでの調べで、倒れた支柱と別の支柱とをつなぐ「はり」を撤去したことで、支柱が単独で立つ状態となり、強度が弱まった可能性があるほか、はりを撤去したあとの支柱の強度を事前に計算していなかったことが分かっています。その後の調べで、設計の担当が、支柱が単独の状態となることを認識していなかった一方、施工の担当は、支柱が単独の状態になると問題があるとは認識せずに、はりを撤去していたことが分かりました。運輸安全委員会では、施工と設計の担当の間の情報共有についても調べを進めることにしています。
写真では、支柱がワイヤーに引っ張られる形で基礎の部分から傾き、支柱の後ろに見える工事用の車両や建物と比べると、傾きが大きいことが分かります。これについて、電気鉄道に詳しい工学院大学の高木亮准教授は「この状態を見て、現場が直ちに緊急事態だと認識しなかったのは問題だ。大きな力がかかる場所であり、ここから先は倒れるスピードが急速に速まると考えて、緊急な措置を講じるべきだった。現場の人たちが危険を予知する感覚を研ぎ澄ませるように、教育や訓練のやり方を再考しなければならない」と指摘しています。こうした状況について、JR東日本は「緊急性がないと判断し、その後、改修する計画にしていたが、結果的に判断が甘かったと考えている」としています。
また、その後のJRなどの調べで、社内の情報共有に問題があった可能性があることも分かりました。これまでの調べで、倒れた支柱と別の支柱とをつなぐ「はり」を撤去したことで、支柱が単独で立つ状態となり、強度が弱まった可能性があるほか、はりを撤去したあとの支柱の強度を事前に計算していなかったことが分かっています。その後の調べで、設計の担当が、支柱が単独の状態となることを認識していなかった一方、施工の担当は、支柱が単独の状態になると問題があるとは認識せずに、はりを撤去していたことが分かりました。運輸安全委員会では、施工と設計の担当の間の情報共有についても調べを進めることにしています。