line-s
05.04
「おおおおおおお!!!!」
 紅音が大きな声で歌い始める。そしてものすごい歓声が聞こえてくる。これが…アイリングのライブ。何度も見ているけど日に日にまったく別人のように良くなっていく。
「紅音さんたちすごいね…。」
「私たちもこうやって変われているのかな。」
「うん、絶対よくなっているよ!」
 私たちが考えている所にアリスが笑顔で答えてくれた。そうだよね、私たちもたくさん努力してここまで進んできたんだもの。そして結果も出してきたのだから…頑張っていかなければ。
「ライブって…やっぱりすごいね。」
「そうだね。私たちも声を出していけばきっと…!」
「きっと良いライブをすることができるよ!」
 私たちがもっと良いライブをするために頑張らなければ…。
「ありがとー! 皆ありがとうね!」
 紅音さんが声をかけるとファンがもっと声をかけてくれる。本当にこれが…最高のライブになっていくと思う!
line-s
05.04
皆「ありがとうございました!」
 私はあの後最後まで投げきることができた。失点は1、桃音さんのホームラン一本にとどまった。しかし桃音さんにツーベースをまた許してしまった。桃音さんは私の弱点を指摘してくれたのですぐ実行してみたけど、なかなか簡単にいくものではない。でもきっと練習を積み重ねていけば…。
由紀「おつかれさま。ナイスピッチングだったよ。」
亜弓「ありがとう。これからもっと上手になれるように頑張るよ。」
由紀「うん、もっと頑張らないとね。」
桃音「私が言った事だけじゃなくて、自分でも気づいたことがあればそれを直していくこと。」
 グラウンド整備をしながらお話を続けていた。私が直していくべきこと…。それにどんどん気づいていかないといけない。もっともっと…頑張らないと。
由紀「(私にも…何か気づいていかないといけない。)」
 私たちはグラウンド整備を終えるとそれぞれのチームへと戻っていく。
桃音「亜弓…また戦える機会があれば。」
亜弓「はい。必ず戦いましょう。」
 私たちは挨拶を終えるとすぐにベンチへと戻っていく。そして…先輩たちが待っていた。これで…先輩とは。
府中「よし、皆集まったな。これで俺たちは野球部としての活動を引退する。そしてこれからは新チームとしてやっていかなければならない。俺たちは甲子園に出ることが出来た。だがそれはお前たちのおかげだ。だからお前たちは…甲子園で優勝してみせろ!」
皆「はい!」
 府中先輩は笑顔で私たちと挨拶をした。来週からは新チームでの練習試合も始まる。そしてその初戦が…城洋大付属高校。頑張っていかなければ。
line-s
05.01
 ザワザワザワ…
「外…すごい声になってきたね。」
「うん。私たちがこれからここでライブをすると考えるとすごいドキドキするね。」
「宇宙一のアイドルになってみせるよ!」
「衣装大丈夫、メイク大丈夫。よし、準備は大丈夫!」
 私たちは準備を整え終えた。以前お話したようにオープニングはアイリングから…。紅音たちはすでに最終準備をしている。紅音さんになんて声をかけたら良いだろうか。
「皆、そろそろよ!」
「はいっ!」
 紅音たちの気合は相当なものになっていた。私は自然と足が動き、紅音さんの元へと向かっていた。
「紅音。」
「千代乃…。ありがとうね、一緒にライブが出来て幸せだよ。」
「それは私たちもです。がんばろうね!」
 私と紅音はハイタッチして笑った。そして紅音は控え室を出て行く。これからライブが…始まる。テレビが映し出されて紅音の様子を見ることができる…。どんな登場を見せてくれるのだろうか。
「キャアアアアアア」
 ステージが暗くなる。そして…。
「みんなー!!! いっくよー!!!!」
 紅音さんの声が聞こえてくる。そして…一気に明るくなり…。
 バァアアン!!
 大きな音と共に…アイリングが登場した…!
line-s
05.01
 バシーン!
亜弓「ふぅ…よし。」
 私はゆっくりと深呼吸をして二回グローブを叩いた。キャッチャーは府中先輩から変わって友亀さんが入った。府中先輩はそのままライトのポジションについた。そしてこの回の先頭バッターは…。
桃音「お願いしまッス。」
友亀「(いきなりこいつか。)」
 桃音さんが挨拶をしてバッターボックスに入る。足元をしっかりと固めて私の顔を見ると大きく深呼吸した。そしてゆっくりと構える…。なに、このものすごい威圧感は…。桜さんと対決した時にも、勝浦さんと対決した時にも感じたこの不思議な違和感。でもあの二人ともまったく別のものを感じる。勝浦さんは圧倒される威圧感、桜さんはピリピリとした威圧感、そして桃音さんからは…押しつぶされそうな何かを感じる。
桃音「(さあ、思いっきり来い!)」
 桃音さんは表情一つ変えずに構えている。私も…堂々といかないと!
 シュゴオオオ バシーン!
 ストライクワン!
亜弓「ふぅ…。」
 私のストレートをじっくりと見てきた。そしてもう一度ゆっくりと構える。いったい何を考えているのだろうか。
由紀「(おちついていこう。)」
桃音「(さてと…次は振りに行こう。あのストレートならこの意識で振っていけば。)」
 腕を上げて足を上げる。低めにストレートを!
 シュゴオオオオ
桃音「(これは入る!)」
 ギィイイイイイン!
亜弓「えっ…。」
由紀「うそっ……。」
 ゴォオオン!!!
桃音「っし!!」
 打球は弾丸ライナーでレフトのポールに直撃した。たった二球で私のストレートが捉えられるなんて…。
桃音「亜弓、アドバイスッス。」
亜弓「アドバイス…。」
 桃音さんは三塁を回ったところで私の顔を見て口を開いた。
桃音「全部全力だといずれ打たれるっす。おそらく全力で投げている理由はあると思うッス。特にメンタル。」
 何もかもわかっている。私が全力で投げている理由も…投げなければいけない理由も。
桃音「もっと心を強くしよう。そしてトレーニングを欠かさずやろう! 毎日の積み重ねはきっと実を結ぶッス!!」
 桃音さんはそういってホームを踏んだ。いきなり出来ることじゃない。それに私の欠点はたくさんある。だけど…一つずつしっかりと直していけばきっと…。
line-s
04.30
「皆、準備は大丈夫?」
「私たちは大丈夫です。着替え始めましょう。」
 私と紅音さんは声をかけて着替え始めた。私たちはすぐに今日のライブで使う衣装に着替える。そしてすぐに着替え終わるとメイク担当の人たちがやってくる。私たちは鏡の前に座ると担当の人たちがすぐにメイクへと取り掛かった。
「緊張してる?」
「まあ、少しね。」
 私たちはいつものような会話を続けながらメイクが終わるのを待っていた。しかしあっという間にメイクが終わった。こんなに早く終わるとなんだか不思議な気分になる。私たちと紅音さんたちのメイクが終わるとすぐにステージへと向かっていく。最終確認のために私たちは準備をしなければいけない。
「それじゃあ最終確認入ります。まず音響の方、お願い致します。」
「わかりました。」
 私たちはすぐに音響のチェックに入る。全員のマイク音量の調整と音楽の調整が終わると紅音さんがスマートフォンをもって私たちの所へと近づいてきた。
「ねえ、現在の外の様子。すごくない…。」
 紅音さんがスマートフォンを見せるとライブ会場の外の様子がうつされていた。まだ数時間あるというのにすでに列に並んでいる人たちいた。こんなに…たくさんの人たちが見に来てくれているなんて。
「すごい人だね。」
「うん…でも見に来てくれた人たち全員笑顔にさせようね!」
「もちろん!」
 私たちは意気込んで声をかけあう。ライブ開始まで…あと二時間。
line
プロフィール

reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
back-to-top