スマホゲーム「私の夢は正社員」、韓国で大人気

3週間でDL40万件以上
ユーザーら「現実と同じ」「面白いけど切ない」

スマホゲーム「私の夢は正社員」、韓国で大人気

 就職志望者や会社員の哀歓を織り込んだスマートフォン向けゲームがリリースから3週間で40万件以上のダウンロードを記録し、若者の人気を集めている。ゲームのタイトルは「私の夢は正社員」。インターン社員からスタートしてあらゆる激務をこなし、話術と処世術も駆使して正社員に昇格し、最終的に社長に上りつめるのが目標だ。ユーザーからは「会社員の哀歓をリアルに盛り込んでいる」などと評価されている。

 ゲームはインターンの面接から始まる。理由も分からず、最初は絶対に落とされる。何度も落ち続けると面接のノウハウが身につき、合格する確率が高くなる。

 なんとかインターンとして入社しても、オフィスには契約社員、正社員、課長、次長、部長、常務、専務、副社長、社長と上司が勢ぞろいしている。上司たちから同時に与えられる仕事をきちんとやり遂げてキャリアを積むと、次第に昇進の確率が高くなる。

 ゲームは簡単そうだが「変数」が多い。与えられた仕事全てを無理にこなそうとして体調を崩し、辞職を勧告されたり、仕事を早く終えようとして契約書の金額を間違えるミスを犯し、退職させられたりすることもある。

 就職難やつらい会社勤めの実情も、リアルに描かれている。時おり社長がオフィスに現れると、課長から副社長まで全てのキャラクターが突如として一生懸命働いているふりをする。また、ゲームの途中で上司が「私がインターンをしていたころは、食事しか与えられなくても感謝して勤めた。君にそんな情熱があるか」と尋ねてくることもある。「あなたの情熱を買う」ともっともらしい言葉を使ってインターン社員を安い給料でこき使う、いわゆる「情熱ペイ」を風刺したものだ。ユーザーの返事は「はい、インターンの情熱で頑張れます」「カネをください」の2択だが、もちろん前者を選んでこそ昇進の確率が高くなる。

 会社の役員に「週末に全員で登山に行こう」と言われたら「(水分補給のための)キュウリは私が用意します」という返事を選ばなければならない。「週末は英語スクールに行くので…」と答えると、昇進は難しくなる。役員のつまらない冗談にも笑ってこそ、昇進も望める。

 制作者のイ・ジンポさんはゲームの紹介欄で「入社4年目で会社を突然退職させられた経験を基に制作した」と明かしている。よりリアルなストーリーにするため、友人らから会社勤めの様子を詳しく聞いたという。

 このゲームが登録されているアプリケーション(アプリ)配信サイト「グーグルプレイ」には「現実と全く同じ」「とても共感できる」「面白いけど切ない」といったユーザーの感想が掲載されている。

朴淳燦(パク・スンチャン)記者
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