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 ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に、福岡など九州の5県と山口、岩手、静岡の計8県に広がる「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が、名称を一部変更した上で、登録される見通しとなった。ユネスコの諮問機関が「登録」を勧告した。6月28日からドイツのボンで開かれる世界遺産委員会で最終的に決まる。

 フランス・パリの世界遺産センターが4日、文化遺産の候補を事前審査する諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告内容を日本政府に伝えた。イコモスは遺産候補を「登録」「情報照会」「登録延期」「不登録」の4段階で評価する。

 「産業革命遺産」は、19世紀末~20世紀初頭に、造船や製鉄、石炭産業の重工業分野に西洋の技術を移転し、日本がどのように近代産業国家になったかを示しているとして、日本政府がユネスコに推薦した。「軍艦島」として知られる端島(はしま)炭坑(長崎市)や吉田松陰の松下村塾(山口県萩市)、韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)など23資産で構成する。三菱長崎造船所(長崎市)のジャイアント・カンチレバークレーンなど現在も現役で使われている施設もある。稼働中の遺産が国内から世界文化遺産に登録されれば初めてとなる。