(cache) サーチナ|日本の米はなぜ美味しい?・・・消費者の「わがままな要求」に、農業関係者が応えたからだ!=中国メディア  



日本の米はなぜ美味しい?・・・消費者の「わがままな要求」に、農業関係者が応えたからだ!=中国メディア


 浙江省寧波(ニンポー)市地元紙の「新僑報」はこのほど、「日本の米の食べ心地は、いつから世界第1位になったのか?」と題する記事を掲載した。「美味しい米が食べたい」と言うわがままな消費者に、農業関係者が総力で応えた結果と説明し、「中国米が日本米ほど美味しくないのは事実」と論じた。  記事は、日本製炊飯器への評価とともに、日本産米の人気も高まったと紹介。食の安全の問題だけでなく、「日本に行った人は全く例外なく、日本の米が美味しいという事実を肯定する」と論じた。  中国については、「米作の歴史は7000年あまり」、「世界において米の栽培を始めた国のひとつ」と紹介。ただし近代においては、膨大な人口を養うために、まずは「生産量」を確保せねばならず「美味しさ」は後回しになったと論じた。  日本も中国も1900年ごろからは生産量が多く病気に強いイネの開発が猛烈な勢いで進んだと紹介。日本では第二次世界大戦中と戦後のしばらくは食糧難のため、増産のためのイネの品種改良が進んだ。ところが1970年ごろになると、米が生産過剰になってしまった。  記事は、日本人にとって米は「それほど稀少なものではなくなってしまった」と指摘。日本人はわがままになり「おいしい米が食べたい」と言い出した。米については市場における評価と売れ行きが重要になり、農業関係者が「米の品質向上を最重要課題とした」と紹介した。  日本の農業技術者は「ど根性」を発揮した。「あなたが食べたい米を、私は作り出してみせる」との“仕事の鬼”になった。さらに、日本人の特徴である「極限を追求する匠の精神」で品種改良や栽培技術の向上を進めたので、「ただごとではない美味しさの日本米」が誕生することになった。  記事は米づくりについて、「品種の選択、種まき、田植え、生長管理、収穫と貯蔵、脱穀と精米、炊飯」の各段階があり、「どの段階に問題があっても、米飯の味は影響を受ける」と紹介。その上で、日本で米の味が重視されている一例として、多くのチェックポイントのある厳格な米の等級分類が存在し、貯蔵においても温度管理などをしっかりしているので、古米も新米に遜色ない美味しさと説明した。  記事は、日本では玄米も注目されていると指摘。白米よりもビタミンB1をはじめとする各種の微量栄養素が含まれていることを理由に玄米を食べる人が増えたのは、日本における「1種のブーム」と紹介した。  記事は「玄米を炊くのには白米よりも時間がかかる」と紹介した上で「ここで改めて、日本の炊飯器を持ち上げることになる」と表明。「日本の電気炊飯器は、愚か者でもちゃんと米が炊けることを目的にしている」と指摘した上で、「日本の電気炊飯器の主要製品は、すべて玄米を扱える。玄米を食べても白米と同様に美味しさを得ることができる!」と論じた。  中国の米については「量の確保から美味しさの追及の過渡期にあり、一般的に言って中国米が日本米ほど美味しくないのは事実」と主張した。 ********** ◆解説◆  上記記事は、「事実を謙虚に紹介する」姿勢を大切にしたようにみえる。たとえば米の栽培についても「わが国が起源」とは書かず、「米の栽培を始めた国のひとつ」との表現にとどめた。  日本における「美味しい米」を目指しての品種改良についても、「消費者の求め」が出発点ではあったが、その上で農業技術者が執念を燃やして最大限の努力をした紹介した。  上記記事は続く部分で、日本が1930年代に旧満州国において果たした米づくりへの貢献も高く評価した。(編集担当:如月隼人)