東邦ガス環境写真コンテスト作品募集
2015年6月17日〜23日
ラシック
一面<平和つなぐ>(2) 異変、素人にも分かる
◆高田延彦さん53歳筋トレ&サウナモード ウンマイ パンケーキってホント癒(いや)し効果絶大やなあ。 ゆるい調子で続く短文投稿サイト「ツイッター」に突如、怒りの書き込みが交じり始めた。 集団的自衛権行使容認、姑息(こそく)でインチキなやり口ですね。 時の政権が勝手に解釈変更など憲法の冒涜(ぼうとく)です。 書き込みの主は、元プロレスラーの高田延彦さん(53)。平和憲法が骨抜きにされていくことに憤り、この一年来、発信を続けている。 その内容は、強敵に気後れせずに立ち向かい、最強を目指した「平成の格闘王」とも、テレビ番組で見る「ひょうきんなオジサン」ともイメージが異なる。 「ボクシングでも相撲でも見慣れれば、素人だって『この試合、ちょっと判定がおかしいんじゃないか』と分かるようになる」 高田さんは「政治の素人」と自任。身近に悲惨な戦争体験をした人もいない。それでも、五十三年間生きていれば、この国の平和に対する風向きが変化していることは感じるという。 ◇ 中学を卒業してプロレスの世界に飛び込み、格闘家として身体と命を張って試合に臨んできた。大けがも負った。妻でタレントの向井亜紀さんはがんで子宮を摘出。代理母出産で双子の男子を得た。 そうした経験から、「何の変哲もない昨日までと同じ普通の日常が何よりの幸せ」と感じるようになった。 学のない私でも平和について今まで以上に日々真剣に考えるようになりました。明日も考えます。 集団的自衛権の容認が議論になっていた昨年五月にはこう書き込んだ。平穏な毎日が続くこと。それこそ、憲法九条の恩恵だと信じている。 「私が日本人として幸福と感謝を強く意識するのは、やはり九条のある時代を生かされているという実感からなんですね」 ◇ その「誇り」でもある部分に危機が迫っていると感じた。「戦争しない唯一無二の平和国家、その最も大事なところを時の政権が国民を置き去りにしたまま崩していくっていう…」。そんな切迫感から自然な流れで書き込みを始めた。 この取材にも「今からでも真剣に考えようなどと感じてもらえるならと、のこのこ出てきました」。 その気持ちを、小学六年生になった二人の息子にも伝えようとしている。 高田さんは最近、広島に投下された原爆の惨禍を描いた漫画「はだしのゲン」を読み返した。それを見ていた子どもたちも、いつのまにか本を手にして食い入るように読んでいた。 「戦争の悲惨さを知る材料を、子どもたちの手の届く距離に置いておきたい」。息子にも平和に感謝する気持ちを持ってもらいたいと願う。 (辻渕智之) <たかだ・のぶひこ>横浜市出身、東京都在住。元プロレスラーで総合格闘技にも参戦。現在はタレントや俳優として活躍する。子どもたちがレスリングや体育のスキルアップをする「高田道場」を主宰。全国各地で開く子ども向け体育教室(ダイヤモンド・キッズ・カレッジ)にも力を入れる。 PR情報
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