中国の製造業・・・「生き残る道」はあるのか=中国メディア
2015-05-04 13:27
中国メディアの一財網は4月29日、中国国内の製造業はすでにコスト優位を失っており、アフリカや東南アジアへ移転する企業も増えていると伝え、「中国国内の製造業が生き残るための道はあるのだろうか」と論じた。
記事は、中国国内で扇風機などを製造しているメーカーの関係者の話として、「原油や原料価格の値下がりを背景に、米国の大口顧客から製品価格の値下げを要求されている」と伝え、一部の原料価格は確かに下落したが、人件費が上昇しているなかでの値下げ要求は「メーカーを苦しい立場に追い込む」との見方を示した。
さらに同メーカーは12年前に受託製造業として開業し、これまで順調に業績を伸ばし、工場も拡大してきたと伝える一方、中国国内での競争も厳しくなっており、大口顧客からの値下げ要求に逆らうことも難しい状況にあると伝えた。
また、受託製造業が数多く存在する広東省東莞市では「7-8年前であれば、午後9時になっても多くの工場で明かりが灯っていた」としつつも、現在は多くの工場で午後9時にはすでに消灯していると伝え、活気が失われていると指摘。さらに工場の賃料もかつて1平方メートルあたり14-15元(約270円-290円)だったものが、現在では9元(約173円)にまで値下がりしていると紹介した。
さらに記事は、インドネシアやインド、タイ、ベトナムなどの人件費は中国より3-4割も安く、多くの製造業者が中国から移転していると伝え、「かつては世界の工場と呼ばれた中国だが、今や工場は世界各地に存在するようになった」と指摘。中国国内の製造業が生き残るためには自動化のほか、受託製造ではなく自社製品の開発が必要との見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Dmitry Kalinovsky/123RF.COM)