「憲法の精神生かせ」「気長に議論を」 記念日合わせ京都で催し
憲法記念日にあわせ、憲法について考えるさまざまな催しが、京都府内で開かれた。
京都市東山区の円山公園音楽堂では3日、憲法の精神を生かし、戦争をしない国づくりを目指す「5・3憲法集会」が開かれた。元内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)の柳沢協二さんが講演し、安倍政権の安全保障政策を批判した。
市民団体「憲法9条京都の会」と「京都96条の会」が共催し、約3千人(主催者発表)が訪れた。
柳澤さんは、4月末に改定された日米防衛協力指針について「米国の戦略に組み込まれるということだ」と指摘。自衛隊の武器使用基準を緩和しようとする政府方針を「派遣先のイラクで1発も銃を撃たなかった自衛隊の精神や憲法の秩序が根本から破壊される」と批判した。
その後、参加者は憲法改悪や戦争への反対を訴えながら市役所までパレードした。
一方、亀岡市余部町のガレリアかめおかでは2日夜、日本青年会議所(JC)京都ブロック協議会主催の憲法を考える催しが開かれた。同志社大の村田晃嗣学長が登壇し、「護憲や改憲を言う前に、まずみんなが憲法をちゃんと読むべきだ」と訴えた。
「憲法ライブ2015」は、憲法記念日に合わせた全国一斉の催し。安全保障や米国外交が専門の村田学長と留学生や大学生らが、日本国憲法の特徴や9条改正などについて意見を交わした。
村田学長は昨今の改憲論争について、「すぐに答えを出そうとしている」と批判。「9条改正や同性婚の権利など、答えがなかなか出ない問題もある。自問自答しながら、気長に議論していくことが大切だ」と会場に呼びかけた。
【 2015年05月03日 22時30分 】