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角形鋼管の崩壊防止ですが ルート1の場合は、柱の地震時応力の割増を行って許容応力...
2015/3/809:37:42
角形鋼管の崩壊防止ですが
ルート1の場合は、柱の地震時応力の割増を行って許容応力度検討を行うのに対して
ルート3の場合は、割増ではなく柱耐力の低減を行ったうえで、保有水平耐力の確認を行うことになっていますがここでは割増ではなくなぜ低減なのでしょうか?
理由がわかれば知りたいのですが。。
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2015/3/822:14:05
角型鋼管というか
正確には
『冷間成型』角型鋼管の話でしょうか?
ご質問の内容は、かなり専門的な内容ですから
とてもじゃないですが、私では答えきれませんが
冷間成型鋼材に、割り増し、或いは低減が必要な理由について
とりとめもなく書いてみます。
**
鋼材の製造に於いて、それを大別する方法に
「熱間成型」と「冷間成型」という分類があります。
熱間成型とは・・
高温に熱した状態の柔らかい鋼材を、
目的の断面形状に成型する方法です。
この場合は
その鋼材の成型にあたり無理な力が加えられておらず
残留ひずみなどの内部欠陥などがほとんど生じない。
なので、熱間成型材の性質は降伏点はある程度低く
破断に至るまでの変形能もかなり確保できる。
(もちろん鋼材種によって差はありますが)
<↑;添付写真図;下の図の黒線>
それに対し、冷間成型材は
常温で塑性加工により目的の形に成型します。
鋼材は常温で塑性加工を施すと、
硬く脆くなる性質(塑性硬化)があります。
<↑;添付写真図;下の図の赤線>
冷間成型鋼材(STKR,BCP,BCRなどの角型鋼管も冷間成型)は
添付写真の上の図に示したように
板材に何かしらの曲げ加工や、プレス加工を常温下で行い
強制的に塑性変形を起こし、断面を成型します。
すると、当然その材料は塑性硬化を起こし、硬く脆くなります。
つまり、降伏点は上昇しますが、塑性変形能力の低下が起こります。
ところが、現行の日本の建築設計法では
ルート1の設計法は弾性設計であり
材料の応力度が降伏点以下である事を確かめるだけですが、
ルート3の設計法は、塑性設計です。
つまり、塑性変形能力にも期待した設計法を採っています。
「全体で見れば」、弾性設計、塑性設計の両者を取り入れた
弾塑性設計という基本方針で成り立っていると言えます。
また、破壊形式の安全性という面から
危険な脆性破壊は、当然避けようとしています。
しかしながら、塑性硬化を起こしたような部材は
その性質に於いて、どうしても変形能力が劣る傾向がありますし
硬く脆くなりますから、脆性破壊の危険性も高くなります。
現行の設計法の考え、つまり
塑性変形にも期待するとか、脆性破壊は避けるとか
そういう考え(基本方針)に対し
冷間成型材のような塑性硬化を起こした材料は
危険な方向性を内在しやすい。といえます。
その為、冷間成型角型鋼管には
その変形能の低さを補うだけの強度的な余裕度を確保し
より確実な構造的安全性を確保しようとする考えがあると言えます。
その余裕度を示すものが、
ルート1における、割り増し率であり、
ルート3における低減率であると言えます。
さて、
鋼材には、SS、SN、SMなどがありますが
SS材は、塑性変形能は保証されていません。
SN材は、塑性変形能が保証されています。
冷間成型角型鋼材について言えば
STKR;SS材を塑性加工した角鋼管
BCP、BCR;SN材を塑性加工した角鋼管
です。
STKRは、もともと塑性変形能が保証されていないSS材が基材ですから
それに塑性変形を施したならば、
その変形能はかなり疑ってかかる方が安全と言えます。
それに対しBCP,BCRは、SN材を基材としていますから
STKRよりは優れた塑性変形能が確保されています。
しかし、塑性硬化は避けられませんから
安全措置として割り増し、低減などの措置は設計法として取られます。
BCR(ボックス・コラム・ロール)は、
写真に示したように、SN材を〇型にロール成型したものを、4方向から圧力をかけ、角型に成型します。
この為、その断面の多くの部分が塑性化しています。
BCP(ボックス・コラム・プレス)は、
写真に示したように、SN材を順次折り曲げて(プレス曲げして)、角型に成型します。
その為、その断面の隅角のみが塑性化しています。
BCPはBCRに比べ、塑性化の程度が低い為、
塑性硬化の程度も低く、変形能は確保されやすいです。
上記の如く、STKR,BCP,BCRを比べると、
その塑性化の程度は、(変形能の低さは)
STKR>BCR>BCP
という順番になります。
-
2015/03/0822:15:28
ルート1における割増率は
ダイヤフラム形式により異なりますが
通しダイヤフラムを使った場合、の応力割増率は
STKR;1.4倍
BCR;1.3倍
BCP;1.2倍
と規定されていますが、
これは、塑性変形能の期待できない材料ほど、多く割り増して(余裕を大きく見て)、その破壊形式の安全性を確保しようとする考えに基づいています。
なので、変形能の小さなSTKRは、割増率が大きく、変形能の比較的期待できるBCRの割増率は小さくなっています。
ルート1の計算では
その崩壊の安全性は直接的には確認しませんが、
それは具体的な計算で確認しない。
という事であって
考えとして、崩壊に対する安全性の担保は
各種の仕様や、
この割増率のような
簡単な確認よって確保しようとしています。
**
ルート3の低減も
冷間成型鋼管が対象です。
冷間鋼材が対象なのは
上述と同じような理由です。
ただし、応力割増ではなく
耐力低減というルート1とは逆の手法により、
安全率、余裕度を確保しています。
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