スポーツのしおり
さまざまなスポーツの一瞬を、コラムとグラフィックスでとらえる企画です
【社会】横浜で集会 青空に「9条守れ」と3万人
日本国憲法の施行から六十八年を迎えた憲法記念日の三日、「平和といのちと人権を! 戦争・原発・貧困・差別を許さない」をテーマにした集会が、横浜市西区の臨港パークで開かれた。安倍政権が解釈改憲で集団的自衛権行使を可能にし、改憲を進めようとする中、主催者発表で約三万人が参加。その数がアナウンスされると、会場は拍手でわいた。危機感を募らせ集まった市民らは、戦争放棄をうたう九条を引き継ぐ思いを新たにした。 ◆世代を超えて 思い引き継ぐ埼玉県ふじみ野市の団体職員塚越あゆみさん(33)は三月に生まれたばかりの長男を抱いて参加した。「今、ぼやっとしていて、いつのまにか戦争する国になっていたら絶対に後悔するから」。母と夫、子供二人の三世代で来た。「平和を守りたい思いに、この子たちを産んでからは家族を守りたいという思いが加わりました」と二人の子の顔を見た。 母のみよ子さん(64)は亡き父が第二次世界大戦に出征し中国で戦った。「(安保法制で)自衛隊に入る人が減れば、徴兵制になってもおかしくない」と危ぶんだ。 東京都狛江市の平井里美(さとみ)さん(53)は夫の滋さん(51)と子ども二人と参加。里美さんは来日する外国人の日本語教師。「うちの子も紛争地の子も同じ命。誰かの都合で奪われてはいけない。話し合いで解決しようとせず、なぜ戦争をと考えるのか」と政権の姿勢を疑う。 安倍晋三首相の「わが軍発言」を受けて知人が作った「戦争法案を阻止せよ 『わが軍』を迎え討つのはわが九条」と書いたのぼりを掲げた。長男の草次郎(そうじろう)君(10)は「僕と同じ年代の子が戦争で殺されるのはイヤだな」と顔をしかめた。 「核兵器の廃絶というのは、憲法が目指している平和への第一歩だと思っています」。青空の下、誓いの言葉が響いた。 青山学院大3年の相原由奈さん(21)=横浜市緑区=は、他の大学生2人とともに若者代表としてステージで発表した。3人は、高校時代に核兵器廃絶を訴える署名を集める「高校生平和大使」を務め、スイス・ジュネーブの国連欧州本部に届けた仲間だ。 相原さんが平和の問題を考えるようになったのは、高2の夏。修学旅行で長崎市を訪れ、被爆者の話を聞いた。「平和のバトンを次の世代に渡してほしい」。その言葉が胸に響き、平和大使に応募し、103条ある日本国憲法の全文も読んだ。「世界平和を誓った前文や、憲法9条は世界の誰が読んでも大事と思えるのでは」。だが、大学の講義で自民党が2012年にまとめた改憲草案を習うと、9条が変更され、自衛隊は「国防軍」とされていた。 「環境権とか新たに加えてもいい権利もあるが、9条は変えてほしくない」。相原さんはこう願いつつ、同世代の責任を語った。「今の憲法や自民党の草案をきちんと読み、変わるならどうなっていくのかと考えていくことが大事」 PR情報
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