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 米ニューヨークの国連本部に、日本から贈られた「平和の鐘」がある。毎年9月の「国際平和デー」の行事で鳴らされるこの鐘が国連本部の敷地内で移転されることになり、鐘を贈った発案者の子ども2人が5月6日、移転式典に出席する。国連創立70年の節目に平和への思いを訴える。

 鐘は1905(明治38)年生まれの愛媛県宇和島市の実業家、中川千代治氏が日本国連協会を通して54年に贈った。高さ1メートル、直径60センチ、重さ115キロ。国連本部ビルの改修工事に伴って移転されていたが、もとの場所の日本庭園内に戻る。6日の式典には、7人の子どものうち、六女の高瀬聖子さん(67)と長男の中川鹿太郎さん(65)が出席する。

 中川氏はビルマ戦線を生き抜き、戦後、愛媛県宇和島市長を務めた。激戦で多くの戦友が亡くなる中、生き残ったことに苦しみを感じ、後半生を平和運動にかけることを決めた。日本が国連に加盟する以前の51年、パリで開催された国連総会に日本国連協会を代表して私費でオブザーバー参加。すでに地元に作っていた「世界絶対平和万歳の鐘」の音を各国の代表者に聞かせ、鐘を寄贈させてほしいと訴えた。