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 中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への関心が集まるなかで、2日始まった48回目のアジア開発銀行(ADB)年次総会。加盟67カ国・地域のうち42カ国はAIIBの参加国と重なる。アジアへのインフラ投資の支援をめぐって加盟国からの圧力が高まるなかで、日米が主導してきたADBは改革を迫られている。

 アゼルバイジャンの首都バクーで3日あったADBの討論会。麻生太郎財務相は、アジア向けのインフラ投資を官民一体で支える新提案を打ち出した。

 麻生氏は「中長期的に望ましい成長をもたらす新たなイニシアチブを推進する」と英語でスピーチ。インフラ整備に民間資金を呼び込むために日本の国際協力機構(JICA)とADBが協力する枠組みを設けるほか、技術移転や人材育成も加速させて「質の高いインフラ投資」を訴え、日本の強みをアピールした。

 日本の新提案について財務省幹部は「数年前から考えていたアイデアだ」とし、AIIB設立の動きとは無関係を強調する。ただ、ADBを巻き込む形で「質の高い投資」を強調したのは、融資基準の不透明さが指摘されるAIIBとの違いを浮き彫りにし、日米主導のADBを後押しする狙いも透ける。

 ADBの中尾武彦総裁は2日、アジアのインフラ需要にこたえるため、融資枠の拡大を表明。審査手続きの短縮化に取り組む姿勢も示したが、「意思決定のスピード感がまだ足りない」(インドネシアのバンバン財務相)といった不満も残る。ある新興国高官も「ADBは動きが鈍い巨象だ」と指摘する。