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 兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局で、記者2人が散弾銃を持った男に殺傷された事件から3日で28年。支局1階に、亡くなった小尻知博記者(当時29)の遺影を飾った拝礼所が設けられ、市民ら約330人が訪れた。

 この日、支局3階の襲撃事件資料室では、言論の自由を考える「『みる・きく・はなす』はいま」展が開かれた。事件が発生した午後8時15分には、朝日新聞社の渡辺雅隆社長ら関係者約80人が黙禱(もくとう)した。

 初めて資料室を訪れたという西宮市の日本語教師、波多野吉徳さん(47)は、小尻記者が事件時に着ていたブルゾンなどを目にし、「生前の小尻記者の息吹を感じ、過去のことじゃないと衝撃を受けた」と話した。波多野さんが勤務する日本語学校には韓国、中国からの留学生が多く、ヘイトスピーチの横行や書店に並ぶ嫌中・嫌韓本が気にかかるという。波多野さんは「生徒にはそんな日本人ばかりじゃないと伝えたい。自分の言葉で、明日もしゃべり続けないと、と気持ちを新たにした」。

 兵庫県尼崎市の劇場に勤める古川知可子さん(44)は「芸術文化の発展は言論の自由があってこそ。その思いを心に刻むために来た」と話した。

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 広島県呉市の小尻記者の実家では法要が営まれ、妻の裕子さん(55)や長女の美樹さん(30)らが参列。母のみよ子さん(84)は体調を崩し、参列を見合わせた。実家近くの墓には後藤尚雄・大阪本社代表らが訪れ、小尻記者をしのんだ。

 事件では小尻記者が死亡、別の記者が重傷を負った。「赤報隊」を名乗る犯行声明が届いたが、犯人は捕まらずに時効が成立した。