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時代の正体<84> 戦史が語る破局への道

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  • 神奈川新聞
  • 公開:2015/04/29 10:14 更新:2015/05/03 12:50
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 では、破局の兆候はどこにあり、引き返せる地点はどこにあるのか。
 
 「戦争の以前、決まって国民の権利や自由が制限され、侵害され始める」

 思い当たる出来事はやはりこの2年で起きている。国家機密を漏えいした者に重罰を科す特定秘密保護法が制定、施行された。
 
 「それはメディアの機能不全から始まる。萎縮し、当たり障りのないことだけを報じるようになる。もう始まっていると言っていいかもしれないが」
 
 テレビ朝日は28日、「報道ステーション」に出演した元官僚の古賀茂明氏が官邸を批判した問題で報道局幹部らの処分を発表した。自民党がテレ朝幹部を呼び出し、聴取したのは2週間前のことだ。
 
 ツイッターやフェイスブックを使って警句を発信し続ける山崎さんは「気付いた人がただちにあらがっていかなければならない。先送りすればするほど、しづらくなっていく」と危機感を込める。
 
 安倍首相が日米首脳会談に臨んだこの日、ツイッターでつぶやいた。
 
 〈米NYT記事、「安倍政権が日本国内の大手メディアに圧力をかけ続けている」という認識は、国際社会では「常識」になりつつある。古賀氏の「I am not Abe」は、海外メディアへの訴求力を計算されたフレーズだと思う。ドイツのFAZなど、非英語圏のメディアも自国語に訳して報じている〉
 
 〈外務省は27日、米紙ニューヨーク・タイムズが20日付の社説で安倍政権を「歴史を粉飾しようとすることで、問題を複雑化させてきた」などと論評したことに対し、川村泰久・外務報道官が反論を投稿したと明らかにした(朝日)必要なのは反論じゃない〉
 
 国際社会からの孤立が招く破局的悲劇もまた、いつか来た道であり、世界の戦史が語っているところだ。

 やまざき・まさひろ 1967年大阪府生まれ。著書に「世界は『太平洋戦争』とどう向き合ったか」(学研パブリッシング)、「中東戦争全史」(同)、「山崎雅弘 戦史ノートシリーズ」(電子書籍、六角堂出版)など。

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