本社世論調査:9条改正、反対55%…昨年より増
毎日新聞 2015年05月03日 22時29分(最終更新 05月03日 23時06分)
毎日新聞が憲法記念日を前に実施した全国世論調査によると、憲法9条を「改正すべきだと思わない」が55%で、「思う」の27%を大きく上回った。昨年4月の調査では「改正すべきだと思わない」51%、「思う」36%だった。政府・与党が集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案の準備を進める中、9条改正慎重派は増えている。
一方、憲法を「改正すべきだと思う」は45%、「思わない」は43%でほぼ拮抗(きっこう)した。
安倍内閣支持層では、憲法を「改正すべきだと思う」57%、「思わない」31%、9条を「改正すべきだと思う」40%、「思わない」42%で、全体傾向より改憲派が多い。
不支持層では、憲法を「改正すべきだと思う」30%、「思わない」61%、9条を「改正すべきだと思う」13%、「思わない」75%だった。
支持政党別にみると、憲法を「改正すべきだと思う」は自民支持層で54%、維新支持層で62%に上り、公明支持層は「思う」と「思わない」がともに40%だった。民主支持層の58%、共産支持層の83%は「思わない」と回答した。支持政党はないと答えた無党派層は「思わない」46%、「思う」42%だった。
9条に関しては、主要政党の支持層でいずれも「改正すべきだと思わない」が「思う」を上回った。
ただ、安保関連法案を今国会で成立させる政府の方針に「賛成」(34%)と答えた層では、9条を「改正すべきだと思う」52%、「思わない」34%だった。憲法解釈変更だけでなく、条文改正を望む意識が強いことが読み取れる。
参院では現在、改憲の発議に必要な「3分の2以上」の賛成を与党だけでは確保できない。来年の参院選で改憲を争点として重視するかどうかという問いでは、「重視する」が56%、「重視しない」が33%だった。憲法を「改正すべきだと思う」層と「思わない」層のいずれも「重視する」が60%を占めており、改憲への賛否が選挙結果にどう影響するかは現時点で見通せない。
調査は4月18、19の両日に実施した。【中田卓二】
◇全国世論調査の質問と回答◇
◆憲法を改正すべきだと思いますか、思いませんか。
全体 男性 女性
思う 45 47 43
思わない 43 44 42
◆憲法9条を改正すべきだと思いますか、思いませんか。