米大統領選:クリントン氏が出馬表明…ネットに動画
毎日新聞 2015年04月13日 10時49分
【ワシントン西田進一郎】米民主党のヒラリー・クリントン前国務長官(67)は12日、ソーシャルメディアに掲載した動画で「普通の米国人は擁護者を必要としており、私がその擁護者になりたい」と語り、2016年大統領選への立候補を正式に表明した。党内の予備選でオバマ大統領に敗れた08年以来2回目の挑戦で、米国初の女性大統領を目指す。民主党の有力者で立候補を表明したのはクリントン氏が初めて。
動画は、新たなことを始めようとしている人種や性別、境遇の異なる米国人を取り上げたもので、クリントン氏は「私も新たなことをしようと準備している」と語り、大統領選への立候補を表明。米国民は厳しい不況から立ち直ろうと闘ってきたとし、共に闘う擁護者になりたいとした。クリントン氏は今週、全米で最初に党員集会が開かれる重要州の中西部アイオワ州や序盤に予備選が行われる東部ニューハンプシャー州で小規模会合などを開き、選挙戦を本格化させる。
クリントン氏はビル・クリントン元大統領夫人で、夫婦が共に大統領に就任すれば初のケースになる。クリントン氏は上院議員2期目途中、08年大統領選に立候補したが、民主党内の候補者指名争いでオバマ氏に敗れた。その後、オバマ氏の要請を受け、09〜13年に国務長官を務めた。
高い知名度と経験、資金力を誇るクリントン氏は、世論調査で民主党支持層の約60%の圧倒的な支持を受けている。バイデン副大統領(72)やリベラル派の間で待望論があるエリザベス・ウォーレン上院議員(65)らに40ポイント以上の差をつけ、候補者指名争いでは独走状態が続いている。
一方、共和党は本命候補がおらず、大混戦となっている。立候補を表明したテッド・クルーズ上院議員(44)とランド・ポール上院議員(52)に加え、ブッシュ前大統領の弟のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)やウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事(47)、マルコ・ルビオ上院議員(43)らが立候補に向けた準備を進めている。