竹石涼子、合田禄
2015年5月2日20時45分
ヒト受精卵を遺伝子操作したとする中国チームの論文に、科学界が揺れている。狙った通りに遺伝子を改変できる新技術「ゲノム編集」を使った基礎研究。安全性や倫理面の議論が不十分と批判する声が多いが、将来どうすべきかの意見は割れている。技術の進歩が速すぎて、「何がいけなくて、何がよいのか」の議論が追いついていない。
ヒト受精卵の遺伝子改変を報告した中国・中山大チームの論文は、科学界が懸念を表明する中で発表された。
3月ごろから、世界中で研究者のうわさになっていた。米科学誌サイエンスは「ヒトの受精卵を編集するな」と題するニュース記事を出し、国際幹細胞学会も「安全性や倫理的、社会的な問題について広く議論されるまで、当面、臨床目的でヒト受精卵を改変しないように」と呼びかけた。
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