流行り廃りのあるモノには近寄らないという投資哲学があります。たとえばウォーレン・バフェットはこの主義をずっと実践してきて素晴らしい投資成果を上げたので、この哲学が正しい事は立証済みです。
その一方で新しいモノに飛び付いて大成功した投資家も沢山います。たとえばスターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)が新規株式公開されたときは、チャラチャラした一時の流行に過ぎないと敬遠するプロも多かったけど、結局、同社は素晴らしい投資リターンを株主にもたらしました。
これらのことから考えて、どちらの投資哲学が正しい? という問い自体がナンセンスであることがわかります。
どちらも正しいのです。
問題は、それぞれの投資哲学をどう実践するか? ということです。正しいステップと言い換えてもよいでしょう。
新しいモノに飛び付くやり方で最初に問題になるのは、熱狂的に支持されているか? という点です。これは消費者やユーザーの立場から、我々はよく知っています。iPhone、ゴープロ、テスラ、シェイクシャックなどには、カルト的とも言える、熱烈なファンが居ます。
このようなパッションが出発点です。
でもカルト的に支持されているというだけでは十分ではありません。なぜならそのような流行の多くはいずれ冷め、消えてゆく運命にあるからです。だから大ブレイクするより、その人気を持続する事の方が遥かに困難なのです。
良い株とは人気を持続し続けられる企業だけを指し、大ブレイクした! というだけでは、それは良い株とは言えないのです。
むしろ一時人気化したモノやサービスを提供している企業の株式は、なまじ高値で取引されているだけに、その人気が剥げたときの下落は激しいでしょう。
だから「このブランド、好き!」ということは銘柄選びにあたって重要なポイントではあるけれど、それだけでは完璧とは程遠いのです。
大事なことは、決算が出る度に、その人気が衰えていないか確認することです。
この絶え間ないチェックと計測こそが投資なのであって、好きな銘柄に遭遇したとき(こんな良いストーリーは、この世に存在しない!)と確信を持つことは、投資でもなんでもないのです。
それは主観であって、客観性がありません。
投資はよく「ビューティーコンテスト(美人投票)だ」と言われます。つまり自分がステージの上のどの娘がいちばんタイプだと感じるか? ではなく、(他の審査員たちは、どう考えるかな?)ということに思いを馳せることも必要なのです。
ここで「他の審査員たち……」という部分が、上で述べた客観性に他ならないのです。
それでは客観的とは何を指すか? ですが、投資の世界では、それはカンタンです。
投資の世界での客観性とは、常にコンセンサス予想のことを指します。だからそれが非農業部門雇用者数の発表であろうが、アップルの決算発表であろうが、常にコンセンサスが問題にされるのです。
ある企業の決算がコンセンサス予想を上回った! というならば、それは客観的に見て万人の期待以上の結果をその企業が出しているわけで、それはその企業の魅力、美しさの輝きが増すことに他なりません。
その反面、決算をしくじった(=つまりEPS、売上高、今後の会社側の予想のどれかひとつでもコンセンサスに満たなかった)場合、他の審査員の中からは:
と思う奴が続出するということなのです。
「タデ喰う虫も好き好き」ということわざもあるから、皆さんが容色の落ちた銘柄に入れあげるのは本人の勝手です。
でもマトモな決算が出せないということは、そもそも出発点だった「カルト的に支持されている!」という支持自体が離散しているキケンがあるわけだから、それは厳粛に受け止めるべきです。
悪決算を心から憎む
そういう態度を養う事。そして悪決算を出した企業からは潔く決別する勇気を持つ事。
さて、ここまでの話は、若い企業のことについて述べました。
EPS、売上高、今後のガイダンスという三拍子揃った決算を、これでもか、これでもか! と継続して出し続けることは、とても難しいことです。大半の企業は、どこかで失敗し、脱落してゆきます。
そうやって、ほんの一握りの企業だけが残るわけです。
50年も100年も続いている老舗には、かならず上に述べたような急成長の時代が昔あり、さらに成功を持続させた実績があるわけです。つまり「老いてなお美しい大女優」みたいな存在です。
バフェットの投資哲学が成功する理由は、そういう「老いてなお美しい大女優」ばかりと付き合っている点にあります。それらの企業は、ちょっと決算をとりこぼしたくらいで、50年、100年積み上げてきた実績や信頼が、突然、吹っ飛ぶということは、ありません。だからそのような大企業の株は、悪決算でも下落幅が小さいのです。
そのかわり「老いてなお美しい大女優」は動きが鈍いですから、投資に際してはじっくり構え、時間を味方に付ける必要があります。
(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)
【お知らせ】
Market Hack編集長、広瀬隆雄の個人のFacebookページにお友達申請を出して頂ければ、すぐ承認します。(但し本名の方のみ)
これとは別にMarket HackのFacebookページに「いいね」することで最新記事をサブスクライブすることもできます。
その一方で新しいモノに飛び付いて大成功した投資家も沢山います。たとえばスターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)が新規株式公開されたときは、チャラチャラした一時の流行に過ぎないと敬遠するプロも多かったけど、結局、同社は素晴らしい投資リターンを株主にもたらしました。
これらのことから考えて、どちらの投資哲学が正しい? という問い自体がナンセンスであることがわかります。
どちらも正しいのです。
問題は、それぞれの投資哲学をどう実践するか? ということです。正しいステップと言い換えてもよいでしょう。
新しいモノに飛び付くやり方で最初に問題になるのは、熱狂的に支持されているか? という点です。これは消費者やユーザーの立場から、我々はよく知っています。iPhone、ゴープロ、テスラ、シェイクシャックなどには、カルト的とも言える、熱烈なファンが居ます。
このようなパッションが出発点です。
でもカルト的に支持されているというだけでは十分ではありません。なぜならそのような流行の多くはいずれ冷め、消えてゆく運命にあるからです。だから大ブレイクするより、その人気を持続する事の方が遥かに困難なのです。
良い株とは人気を持続し続けられる企業だけを指し、大ブレイクした! というだけでは、それは良い株とは言えないのです。
むしろ一時人気化したモノやサービスを提供している企業の株式は、なまじ高値で取引されているだけに、その人気が剥げたときの下落は激しいでしょう。
だから「このブランド、好き!」ということは銘柄選びにあたって重要なポイントではあるけれど、それだけでは完璧とは程遠いのです。
大事なことは、決算が出る度に、その人気が衰えていないか確認することです。
この絶え間ないチェックと計測こそが投資なのであって、好きな銘柄に遭遇したとき(こんな良いストーリーは、この世に存在しない!)と確信を持つことは、投資でもなんでもないのです。
それは主観であって、客観性がありません。
投資はよく「ビューティーコンテスト(美人投票)だ」と言われます。つまり自分がステージの上のどの娘がいちばんタイプだと感じるか? ではなく、(他の審査員たちは、どう考えるかな?)ということに思いを馳せることも必要なのです。
ここで「他の審査員たち……」という部分が、上で述べた客観性に他ならないのです。
それでは客観的とは何を指すか? ですが、投資の世界では、それはカンタンです。
投資の世界での客観性とは、常にコンセンサス予想のことを指します。だからそれが非農業部門雇用者数の発表であろうが、アップルの決算発表であろうが、常にコンセンサスが問題にされるのです。
ある企業の決算がコンセンサス予想を上回った! というならば、それは客観的に見て万人の期待以上の結果をその企業が出しているわけで、それはその企業の魅力、美しさの輝きが増すことに他なりません。
その反面、決算をしくじった(=つまりEPS、売上高、今後の会社側の予想のどれかひとつでもコンセンサスに満たなかった)場合、他の審査員の中からは:
(ふん、なんだこんなブス!)
と思う奴が続出するということなのです。
「タデ喰う虫も好き好き」ということわざもあるから、皆さんが容色の落ちた銘柄に入れあげるのは本人の勝手です。
でもマトモな決算が出せないということは、そもそも出発点だった「カルト的に支持されている!」という支持自体が離散しているキケンがあるわけだから、それは厳粛に受け止めるべきです。
悪決算を心から憎む
そういう態度を養う事。そして悪決算を出した企業からは潔く決別する勇気を持つ事。
さて、ここまでの話は、若い企業のことについて述べました。
EPS、売上高、今後のガイダンスという三拍子揃った決算を、これでもか、これでもか! と継続して出し続けることは、とても難しいことです。大半の企業は、どこかで失敗し、脱落してゆきます。
そうやって、ほんの一握りの企業だけが残るわけです。
50年も100年も続いている老舗には、かならず上に述べたような急成長の時代が昔あり、さらに成功を持続させた実績があるわけです。つまり「老いてなお美しい大女優」みたいな存在です。
バフェットの投資哲学が成功する理由は、そういう「老いてなお美しい大女優」ばかりと付き合っている点にあります。それらの企業は、ちょっと決算をとりこぼしたくらいで、50年、100年積み上げてきた実績や信頼が、突然、吹っ飛ぶということは、ありません。だからそのような大企業の株は、悪決算でも下落幅が小さいのです。
そのかわり「老いてなお美しい大女優」は動きが鈍いですから、投資に際してはじっくり構え、時間を味方に付ける必要があります。
(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)
【お知らせ】
Market Hack編集長、広瀬隆雄の個人のFacebookページにお友達申請を出して頂ければ、すぐ承認します。(但し本名の方のみ)
これとは別にMarket HackのFacebookページに「いいね」することで最新記事をサブスクライブすることもできます。